８人目は女の子【JW】

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いや、私が勝手に、ではないのだ。今の私は紛れもなくジャニーズWESTの一員であり、八人目とかではなく八人のジャニーズWESTの一人なのだ。だからやめる権利だってあるし、続ける権利だってある。

「ありがとうございます」

私が頭を下げるとマネージャーの方は慌て始め、「お礼を言われるようなことではないので」といつもの固い顔に戻ってしまった。けれどいつもの仏頂面がなんだか少しだけ優しく見えた気がした。

それから二人で事務所に行って話をしてきた。活動休止をすること、体調不良が主な原因であること、それからやめる気はないということも。長い話し合いが行われ、休止期間は未定だが必ず戻るという約束のもと、今回の活動休止の件は合意した。

『男ばっかりのジャニーズに女がいることと、あいつの能力って比例してないよね。』

そんな言葉を思い出す。今の私なら間違いなくそうだ。歌は問題なかったけれど、ダンスやMCに関しては元々の能力だけでは補えない部分が出てくるし、そもそも歌だってギリギリ妥協点というだけだったのかもしれない。

私は未だに誰にも自分のことを話せていないし、そんな勇気もない。プライドやこだわりなんて一切なくて、ファッションにも無頓着。ダンスなんて未経験で人前で話すのは苦手だ。
( こんな私がメンバーとしてやっていけるのだろうか。)
不安な気持ちと、私に対する誹謗中傷の数々が頭を駆け巡って、絶対に無理だと思ってしまう。でも続けると言ったし、ここでやめるなんてあまりにも無責任すぎる。メンバーになってみたい、なんて軽々しく言った責任は重すぎるけれど、せめて元通りになるまでは続けてみたい。

「私に、できるのかな」

マネージャーの方と別れを告げ、玄関に入りひとりごちた。

それから、私の活動休止が公にされた。名目は体調不良というだけで、ウイルス感染の心配はないということ。七人が頭を下げて、各々の胸中を明かしていた。
休止することは私から伝えた。ジャニーズWESTを辞める気はないということも。いつでも相談に乗ると寄り添ってくれる方ばかりでどうも頭が上がらない。



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