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インタビュアーの方が前のめりになってそう聞いてきた。今までどう答えてきたのかは知らないし、そんなものはないとも言いづらい。
ふと今朝の出来事を思い出し、私服のポケットから丸い付箋を取り出した。
「朝これを見て、今日の撮影頑張ろって思いましたね」
「あ、それ照史があげたやつやん」
小瀧さんが指さすと、照史さんが「おお」と感嘆の声を上げる。
「えーーー！めっちゃ嬉しい！まだチョコ残ってた？」
「あと…五つくらいかなぁ」
よっしゃ、とガッツポーズした照史さん。どうやらまた、新しいのを作ってくれるらしい。
「ていうかあれやん、望があげた指輪も付けてない？」
「そうそう」
小瀧さんもどうやら気づいていたようで、両手で顔を覆っていた。「望照れてる〜」なんて桐山さんの言葉に、「照れてないし！」と顔を上げた小瀧さんの顔は耳まで真っ赤だった。
「あーー、とうとう雑誌に載ってまうんか…望とキーコの結婚指輪」
「結婚指輪ちゃうし、アニバーサリーリングは左手薬指限定じゃないし！」
大きく口を開けて笑う照史さんに、不貞腐れたような小瀧さん。どうしたらいいのか分からず、視線が泳ぐ。
「でも、大事にしてくれてるんなら、よかった」
小瀧さんの言葉に、笑みを零しながら「だってさ」と私に目配せしてきた桐山さん。たちまち私も笑顔になって力強く頷いた。
それからも、質問され答え質問され答えの繰り返しを行っていくうちにインタビューは終了した。今日はもうこの楽屋は使われないとのこともあり、その後も三人でいろいろな話をした。照史さんには、「少しでも支えになれてるならよかった」とお礼まで言われてしまった。
私が撮影途中に固まってしまったことは、桐山さんや小瀧さんはもちろん、インタビュアーの方は触れないでいてくれた。
『無理に笑わんでもええから』
今になって、今朝の重岡さんの言葉を思い出した。もしかしたら、私になる以前のキーコは無理して笑っていて、傷ついているのを隠していたのかもしれない。彼女が自ら誹謗中傷を覗きにいくような人じゃないとしても、エゴサーチをしてみればそんな投稿は目に入ってくるものだ。
重岡さんはそれを分かって言ったのかもしれないし、ただエールとして掛けてくれた言葉なのかもしれない。
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るな(プロフ) - もちろんです！これからも応援してます！ (2021年4月28日 23時) (
レス) id: 8624103a6b (このIDを非表示/違反報告)
ぴの山(プロフ) - るなさん» ありがとうございます〜！最後までお付き合いいただけると嬉しいです…！！ (2021年4月28日 21時) (レス) id: 54952e91f1 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - ものすごくストーリーが好きです！何度も読み返してます！毎日更新楽しみにしてます！ (2021年4月28日 18時) (レス) id: 8624103a6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＿＿ | 作成日時：2021年4月10日 18時
