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明かりがついていることに、ちょっとテンションが上がる。
今日も店に寄ってくれたスニョンは、先に帰ったから、いることはわかってたんだけど。
「ただいまー」
「あ、ヌナおかえり!」
リビングに入ったら、キッチンから顔を出すスニョン。
「もうすぐできるよ」
「おっ、今日は何かな」
「今日はねー、豚肉と卵とキャベツとキクラゲを炒めたやつ
あ、あとね、スープもあるよ」
フライパンを握るスニョンは、なかなか様になっている。
「いい感じじゃん。おいしそう」
「でしょ。だいぶ上手になったよね」
「うん。よきよき」
撫でてくれと言わんばかりに、頭を下げるスニョンをよしよししてあげれば、ドヤ顔。
「ちょっと、焦げてますよ」
「あっ」
調子に乗れば、すぐこれだ。
まぁ、そんなところもかわいい。
結局、スニョンは何をしてもかわいい。
*****
「いただきます」
店を始めてから、食卓を共にすることが増えた。
カフェに勤務していた頃は、早番、遅番と勤務時間が不規則だったから、朝食はともかく夕食は別々のことが多かったのだけど、今は店も20時まで。
そこから帰って一緒にご飯というのがお決まりの流れになりつつある。
スニョンが先に帰る日は、よくご飯を作ってくれるようになった。
やさしい。
「味はどう?」
「うん、おいしいよ。スニョン、また腕あげたね」
「えっへん。結構レパートリーも増えたしね。
俺、主夫でもいけるなぁ」
「働いてもらわないと困りますよ」
「はーい。もっと大きなおうちに住めるように頑張る」
「ふふっ。期待してます」
「あっ、でもこのうちも気に入ってるからなぁ」
だって、俺たちの思い出の場所だし…」
なんて、照れながらいうシチュエーションかね…
本当に、最近のスニョンは、やさしくて、素直だ。
のは、何か裏があるような気がして、いけない。
だめだな。
素直に受け取れない自分のひねくれっぷりが。
きっと、スニョンは裏も表もなく、私のためにやってくれているのだろうに。
なんか、申し訳ないな。
結局、誕生日のことは聞けずに、これまでと変わらない日々が続いている。
これからも、続いていく。
それでいいんだと、自分に言い聞かせる。
スニョンが言ったことを、私はただ信じればいい。
そうすれば、このままの二人でいられる。
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nayuta(プロフ) - Nyanさん» Nyanさん、コメントありがとうございます!長期間開いてしまい申し訳ありません!またお楽しみいただけるよう、更新頑張ります!今後とも、どうぞよろしくお願いします。 (2021年3月16日 20時) (レス) id: eddbfa096d (このIDを非表示/違反報告)
Nyan(プロフ) - 初めまして。nayutaさんが書かれる小説とっても面白くて全部見ちゃいました!本当に面白いです!更新また楽しみにしていますね。頑張ってください! (2021年2月7日 1時) (レス) id: 38c9553a5a (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - Ayaさん» Ayaさん、コメントありがとうございます!更新がずっと滞っている中、楽しみにしていただいて、本当にありがとうございます!今後もぼちぼち更新になりますが、よかったら覗いてやってください! (2021年1月18日 0時) (レス) id: eddbfa096d (このIDを非表示/違反報告)
Aya - はじめまして。すにょんとヌナの行方が気になって、こちらの更新ずっと楽しみに待っていました!Nayutaさんの書かれるスニョンがとても可愛く大好きです^ ^これからも楽しみにしています! (2021年1月17日 12時) (レス) id: c5f8876cc2 (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - 宵さん» 宵さん、はじめまして!コメントありがとうございます!癒しになっているなんて嬉しいです。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!よろしくお願いします! (2020年5月18日 1時) (レス) id: e146c0ae0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nayuta | 作成日時:2018年9月10日 22時