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梅雨入り間近、晴れた6月はじめのある日
久しぶりにスニョンと休みがかぶったというのに、家でダラダラするという選択肢しかない残念な私たち
まぁ、せっかくの天気だし、布団でも干すか。
「スニョンー」
いない。ということは…
開け放した窓の外、スニョンは、庭で踊っていた。
そういえば、スニョンのダンスを見るのは、久しぶりかも。
額に汗を浮かべて踊るスニョンは、相変わらずハツラツとしてるなぁ。
年の差を感じるのは、こっちこそだよ、スニョン。
いつも、大人気なく不安になってしまうこと、君は知らないだろうね。
「あ、ヌナ」
「…多肉ちゃん、蹴り飛ばさないでよ」
「へへ、だいじょうぶ。
あ、何?」
「ううん。踊ってていいよ」
「せっかくヌナと過ごせるんだし、もう終わり」
「じゃあ、あれ踊ってよ」
「あれ?」
「あの、SEVENTEENだっけ?スニョンと似てる子がいる…」
「あぁ、わかった。あれ、ね
ヌナの好きなやつ」
スニョンの表情が変わった。
そう、この瞬間が一番好き。
しなやかで、華やかで、躍動的。
指先まで美しくて、普段ハム太郎な彼の面影もない。
本当に、ダンスが好きなんだな。
努力してきた姿をそばで見てきたから尚更、感慨深いものがあるな。
スニョンにとってのダンス。
私にも、このお店が、そんな存在になればいいな。
***
布団を全部干して、シーツも洗って、疲れてソファでゴロゴロしていたら、いつの間にか寝てしまっていた。
すでに、陽は傾いている。
夕方の風が、とても心地いい。
ソファの下で、まだスヤスヤと寝息を立てるスニョン。
ちょっと面白くなって、鼻をつまんでみる。
起きない。
「ん……」
なんかもぞもぞしてる、可愛い。
「……はっ」
「あ…起きた」
「なに〜ヌナぁ」
「晩御飯、 何にしよっか?」
「んー、ヌナのオムライス」
「はいはい。じゃ、買い物行ってくるから、スニョンは布団取り込んでくれる?」
「え、一緒に行く!」
「…じゃ、すぐに取り込む!」
「はい!」
庭へ飛んでいくスニョン。
ふっ、ちょろいな。
***
そういえば、手を繋ぐのも久しぶり。
買い物の帰り道、ご機嫌なスニョン。
それもそのはず。なんてったって、ハーゲンダッツを買わされたもんね。
「ご飯の後に食べようね」って笑うスニョンには、敵わないよほんとに。
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nayuta(プロフ) - Nyanさん» Nyanさん、コメントありがとうございます!長期間開いてしまい申し訳ありません!またお楽しみいただけるよう、更新頑張ります!今後とも、どうぞよろしくお願いします。 (2021年3月16日 20時) (レス) id: eddbfa096d (このIDを非表示/違反報告)
Nyan(プロフ) - 初めまして。nayutaさんが書かれる小説とっても面白くて全部見ちゃいました!本当に面白いです!更新また楽しみにしていますね。頑張ってください! (2021年2月7日 1時) (レス) id: 38c9553a5a (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - Ayaさん» Ayaさん、コメントありがとうございます!更新がずっと滞っている中、楽しみにしていただいて、本当にありがとうございます!今後もぼちぼち更新になりますが、よかったら覗いてやってください! (2021年1月18日 0時) (レス) id: eddbfa096d (このIDを非表示/違反報告)
Aya - はじめまして。すにょんとヌナの行方が気になって、こちらの更新ずっと楽しみに待っていました!Nayutaさんの書かれるスニョンがとても可愛く大好きです^ ^これからも楽しみにしています! (2021年1月17日 12時) (レス) id: c5f8876cc2 (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - 宵さん» 宵さん、はじめまして!コメントありがとうございます!癒しになっているなんて嬉しいです。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!よろしくお願いします! (2020年5月18日 1時) (レス) id: e146c0ae0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nayuta | 作成日時:2018年9月10日 22時