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俺のダンサーとしての第一歩。
ヌナが背中を押してくれたから、このステージで踊ることができる。
だから、ヌナには絶対、来てほしかった。
最近、コンビニにも来てくれないし、ミンソクさんとラブラブみたいだし、もう俺にはかまってくれないのかも…って心配してたけど、開演前、こっそり舞台袖から客席をのぞいたら、俺が招待した席にヌナの姿があって、俄然やる気が出た。
なんて単純なんだ、俺。
開演中はそれこそヌナのほうを気にする余裕なんかなく、ダンスに集中してたから、ヌナがどんな顔して観てくれてたのか、どうだったのか、反応が知りたくて、ヌナに直接会って聞きたくてたまらなかった。
なのに、終演後、ヌナに電話をしたら、もう会場を出ちゃってた。
「よかったよ」ってゆってくれたけど、ヌナの声、なんだか、元気がなくて、もっと話したかったけど、というか今すぐにでも会いたかったけど、「ミンソクと約束してるから」ってゆわれて、高揚してた気持ちは、しゅるしゅるとしぼんでしまった。
ヌナに彼氏がいたっていいって、前みたいな関係でいいって思ってたのに、まだ未練たらたらじゃん、俺。
「ヌナ、ミンソクさんのとこ、どうしても行かなきゃだめ?」
つい、零れてしまった本音。
受話器の向こう、静かになっちゃった。きっと、困らせてる。
「だってさ、俺、きょう頑張ったよ。だからヌナんちで、チキン食べたい。
…ハム太郎のお願い、きょうぐらい聞いてよ」
でも、本当の本当のことは、どうしても言えない。だから、茶化してしまうんだ。
こうやって甘えたら、もしかしたらヌナは「しょうがないなぁ」って、甘やかしてくれるかもって、そんな期待を込めてみたんだけど…
「ごめん。今日は家、帰らないから」
突き放されるみたいに、言われた。
「そりゃそうか。俺より、彼氏のミンソクさんのほうが大事に決まってるよな。
じゃ、どうぞお幸せにー」
渇いた笑いで、なんとか口を動かして、ヌナの言葉を待たずに通話終了ボタンを押した。
あーあ、なんであんなこと言っちゃったんだろ。
高望みはしないって決めたのに。
自分で傷口に塩塗るようなことして、ほんと何やってんだ俺。
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nayuta(プロフ) - ハフィントンポストさん» ハフィントンポストさん、コメントありがとうございます!お返事遅れてしまい、すみません!!ありがたいです!可愛いスニョン、また続編ものぞいていただけたら嬉しいです。 (2019年5月11日 6時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
ハフィントンポスト(プロフ) - なんか、読み始めたら段々と吸い込まれて全部読んじゃいました、すにょん可愛いですね!ww! (2019年1月25日 22時) (レス) id: b852baaf97 (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとさんーー!わたくしもおぬよん好きなので、ついつい登場させちゃいます。おぬよんにときめいてくださるなんて、うれしいですー! (2018年9月1日 1時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
にとまる。 - nayutaさん» すにょんんん(( でもにとてきにはたまにでてくるおぬよんにときめきます。好き。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: 307b4f2a6a (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとまるさん、ありがとうございます!どちらに傾くのか、、、更新頑張ります! (2018年8月22日 12時) (レス) id: 71317fae55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nayuta | 作成日時:2018年7月18日 14時