#33 ページ33
地元で就職考えてるなんて、そんなの聞いたことがなかった。
スニョンが、私に何も話してくれなかったことが、悲しかった。
週に何度も会っていたのに。
なんでミンソクには話したんだろうって、おかしな話だけど、なんか悔しかった。
それに…
スニョンは一般企業の就職も考えてると話していたけれど、きっと、ダンサーの道に進むものだと思ってた。
ダンスしてる時のあの表情は、本気に見えたから。
今度会ったら聞こう、聞こう、と思っているのに、こういう時に限って、スニョンはバイトに出ていない。
三日、四日と経てば、さすがに心配になる。
もしかして私のこと避けてるのか、といろんな考えが過ぎる。
というか、避けられる理由なんか一つも見当たらないんですけど。
今日こそは。息巻いて仕事終わり、コンビニに行ってみれば、またもスニョンの姿はなかったけれど
見知った横顔が、カウンターで接客をしていた。
あれは…ウォヌくん？
***
「ウォヌが置いてくれるから本当に大丈夫」
スニョンに電話口で言われた翌日、彼は我が家に帰ってきた。
いや、帰ってきた、のではなく、荷物を取りに来た。ウォヌくんを連れて。
「チョン・ウォヌです。スニョンが、随分お世話になったみたいで」
「あ、いえいえ。なんか急に、ごめんなさいね。今度はお世話になります」
そんな挨拶を交わす間も、スニョンはあーだこーだ言いながら荷物をまとめていく。
「ヌナ、これもらってっていい？」
そう言って彼がキッチンの棚を指差した。マグカップとお茶碗とお箸だった。
「うん。スニョンのだし、いいよ」
「ありがと。ウォヌんちで使おー」
***
もう、うちで一緒にご飯を食べること、なくなるのかなって
ほんの少し、センチメンタルな気持ちになったこと。
ウォヌくんの横顔に、また思い出してしまった。
「いらっしゃいま…あ…Aさん」
「…こんばんは」
驚いたような表情を浮かべたウォヌくんから、スニョンは今、ゼミの研修で地元に帰っていることを聞いた。
避けられていたわけじゃなかったことにホッとして、スニョンのこと、何も知らないことに落ち込んだ。
それでも…私が今夜、スニョンに言いたかったことは、彼に託すしかなかった。
カウンター越しの会話さえ、なくなってしまうのだろうか。
って私、スニョンの本当のヌナでもないし、友達でもないじゃん。
この関係につける名前なんてない。それぐらい薄っぺらいものだったんだ。
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nayuta(プロフ) - ハフィントンポストさん» ハフィントンポストさん、コメントありがとうございます！お返事遅れてしまい、すみません！！ありがたいです！可愛いスニョン、また続編ものぞいていただけたら嬉しいです。 (2019年5月11日 6時) (
レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
ハフィントンポスト(プロフ) - なんか、読み始めたら段々と吸い込まれて全部読んじゃいました、すにょん可愛いですね！ww！ (2019年1月25日 22時) (レス) id: b852baaf97 (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとさんーー！わたくしもおぬよん好きなので、ついつい登場させちゃいます。おぬよんにときめいてくださるなんて、うれしいですー！ (2018年9月1日 1時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
にとまる。 - nayutaさん» すにょんんん(( でもにとてきにはたまにでてくるおぬよんにときめきます。好き。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: 307b4f2a6a (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとまるさん、ありがとうございます！どちらに傾くのか、、、更新頑張ります！ (2018年8月22日 12時) (レス) id: 71317fae55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nayuta | 作成日時：2018年7月18日 14時
