小動物系男子と暮らしています。

#28 ページ28

「ウォヌくんって、どんな人？」
「えっとね、高校からの同級生。腐れ縁みたいなもんかな。性格もやってることも真逆なんだけど、なぜかウマが合うんだよね」

スニョンと暮らし始めて、おしゃべりを重ねるうちに、少しずつ知っていった彼の相関図。ダンスサークルの仲間や、アルバイト先のコンビニの人たち、そして、ウォヌくん。


そんなウォヌくんのところにいるなら安心だ。と思う反面、なんか、彼にスニョンを取られてしまったような気がして、少し寂しい。
いやいや、元はと言えば私が発端じゃないか。

なのに、どうにも慣れない、一人暮らし。


つい半年前は、一人暮らしだったのだから、そのころの生活に戻っただけなのにな。






「おつかれー」
「あ、ヌナ、お疲れ様」
仕事帰り、いつものようにコンビニに寄れば、スニョンはいつも通り。
だけど、当然だけど、うちに帰ってくることはない。
だから、会うのはコンビニだけ。カウンター越しに話す、わずかな時間のみになった。


「スニョン、ウォヌくんとこで迷惑かけてない？」
「大丈夫だって。ウォヌとは付き合い長いし。ヌナこそ、彼氏と仲良くやってんの？」
「まぁねー」
「の割に、ほぼ毎日来てるじゃん。
普通、付き合いたてだったらさ、彼氏んちに直行じゃないの？」
「忙しくて、なかなか休みが合わないの」
「ふーん」
「あ、スニョン」
「うん？」
「たまにはさ、ごはんでも食べにおいでよ」
「え、なんで」
「え、やなの？」
「あ、さてはヌナ、俺が居なくて寂しいな」
「…なわけないじゃん。
スニョンがちゃんと食べてるか心配してるんです。
ウォヌくんと一緒でもいいし」
「…考えとく」
「うわ、ハム太郎のくせに生意気」
「俺だって忙しいんだよー。就活もあるし」
「スニョンもう4年生だもんね。ダンスのほうに進むの？」
「まだ、分かんない。ダンサーとして、やってけたらいいけど…
無理かもだからさ、普通に就職も考えないと」
「そっか…ヌナでよければ話、いつでも聞くから言って来なさい」
「うわ、ヌナのくせに生意気」
「当たり前でしょ。人生の大先輩なんだから」
「自分で言うかー。まぁ、頼りにしてますわ先輩」
「だからさ、忙しいだろうけどさ、もし時間空いたらいつでもおいで」
「しょうがないなぁ〜。寂しそうだから会いに行ってあげる」


仕事終わりの、わずかな会話。
素直じゃないし、ハム太郎のくせに口が達者だし。
けれど、やっぱりこの時間が癒やしなんだ。

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