#13 ページ13
出てみれば、見知らぬ青年。
「すみません」と頭を下げるその人は、スニョンを背負っていた。
「こいつ、酔っ払っちゃって」
「それは…ご迷惑をおかけしました」
「あ、いや、僕たちが、無理やり飲ませちゃったんです」
再び頭を下げた、礼儀正しいその青年はムン・ジュンフィと名乗り、スニョンのダンスサークルの仲間だと言った。
バイト終わりのスニョンを無理やり連行しちゃったんだと、話してくれた。
「ほら、スニョン、着いたよ」
「ん…」
降ろせば、ふらふらとドアにぶつかりそうになるから、すんでのところでその手を掴んだ。
「スニョン。大丈夫？」
「ふぇ、あ、Aちゃんだ」
「ほら、家入るよ。
送ってもらって、ありがとうございました」
「いえ、あ、これ」
彼が左手に持っていた紙袋を受け取る。
「ケーキ、みたいです。帰ったらヌナと食べるんだ、なんて言うから、あれこれ聞いてるうちに飲ませ過ぎちゃって、ほんとごめんなさい」
「あ、いえ」
「スニョンのこと、よろしくお願いします！」
とびきり爽やかな笑顔を残して、彼は去って行った。
なんか、勘違いされたような…。いや、スニョンだし、それはないか。
振り返れば、もはや電池切れのスニョンは、廊下で寝ている。
「スニョン、起きて」
「…気持ち悪いー」
「え、やめてよ」
「う…」
酔っ払いの介抱なんて、便器に顔突っ込む人の背中をさするなんて、わたしゃ人生で初めての経験ですよ。
ある意味、忘れられないクリスマスになりましたけど。
ようやく落ち着いたスニョンをソファに寝かせたら、「ごめんね」と、いつになく弱った顔。
「もういいから、ゆっくり休みな」
首を振るスニョンは、今にも泣きそうで、こっちが驚いてしまう。
「一緒にクリスマスしよって、ゆったのに、ごめんなさい」
「大丈夫だから。ほら、泣いたらまた、酔いがまわっちゃうよ」
「ヌナぁ、おれのこと、捨てないで〜」
「うん、捨てたりしないよ、スニョンのこと。
だから安心しておやすみ」
この子、泣き上戸なのかしら。
次から次から溢れてくる涙をぬぐいながら、子どもみたいに泣きじゃくるその頭を撫でた。
クゥ、クゥ、と、ようやく聞こえてきた寝息。
「お疲れ様。また明日、ケーキ食べようね」
スニョンとお酒を飲むときは、気をつけようと思った、クリスマスの夜。
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nayuta(プロフ) - ハフィントンポストさん» ハフィントンポストさん、コメントありがとうございます！お返事遅れてしまい、すみません！！ありがたいです！可愛いスニョン、また続編ものぞいていただけたら嬉しいです。 (2019年5月11日 6時) (
レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
ハフィントンポスト(プロフ) - なんか、読み始めたら段々と吸い込まれて全部読んじゃいました、すにょん可愛いですね！ww！ (2019年1月25日 22時) (レス) id: b852baaf97 (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとさんーー！わたくしもおぬよん好きなので、ついつい登場させちゃいます。おぬよんにときめいてくださるなんて、うれしいですー！ (2018年9月1日 1時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
にとまる。 - nayutaさん» すにょんんん(( でもにとてきにはたまにでてくるおぬよんにときめきます。好き。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: 307b4f2a6a (このIDを非表示/違反報告)
nayuta(プロフ) - にとまる。さん» にとまるさん、ありがとうございます！どちらに傾くのか、、、更新頑張ります！ (2018年8月22日 12時) (レス) id: 71317fae55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nayuta | 作成日時：2018年7月18日 14時
