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マスターを家族の元に早く帰してあげたくて、「私なら全然大丈夫です！」と、レインブーツを見せて店を意気揚々と飛び出した。
ものの…思った以上の雪。
ブーツの足首まで埋まりそうになりながら、傘を握りしめてザクザクと、歩みは一向に進まない。
だけど、あまり雪の降らない温暖な島出身の自分は、この雪にテンションが上がっているのも事実。
だんだん楽しくなってきて、周りに人がいないのをいいことに、鼻歌まで飛び出す始末。
♪あじゅ〜ないっ
気がつけばそれは彼らの歌で…
ちょっとだけ思い出してしまった。
あれ以来、スニョンくんには一度も会ってない。
ジョンハンさんやウォヌくんは来てくれるけれど、彼がお店に来ることはなくなった。
ケータリングも、「俺が行く」と言われ、ジュニョンさんに引き継いだ。
完全に、接点がなくなってしまった。
でも、そうでもしないと、忘れられそうになかったから、これでよかったんだ。
その証拠に、今では私、ちゃんとジュニョンさんのことが好きって、言えるもの。
無理をしているわけではないけれど、ちょっと気分をあげたくて、こんな雪の中、スキップなんかした自分がバカだった。
あっ！と気づいた時には、視界にはすっかり暗くなった空。
思いっきりスッ転んでしまった。
だけど、ふかふかの雪は、思ったより気持ちよくて、痛みよりも、溢れる笑み。
こんなことしてるってバレたら、ジュニョンさんに怒られるだろうな。
彼は、本当に心配性だから。
今夜は、家に帰っても会えないし、もうちょっとこのまま…
降る雪を、馬鹿みたいに顔に浴びていたら、急に目の前が暗くなった。
「何、やってんの？」
「へ…」
「こんなとこで寝てたら、風邪ひくよ」
手を差し伸べてきたのは、「スニョン、くん…」
「ほら」
言われるがまま、手をそろそろと伸ばしたら、掴まれて、あっという間に起き上がる。
「あり、がと」
彼は、髪の毛や、コートに積もった雪を払ってくれて「どんだけ寝てたんだよ」って苦笑いを浮かべた。
「ちょっと、こけちゃっただけ、だよ」
「その割には、なんか楽しそうだったけど？」
「だって…雪、なんかテンション上がるじゃん」
「まぁ、そうだな」
そんなふうに、笑われると、困る…
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nayuta(プロフ) - みく@企画垢さん» みくさん、ご指摘ありがとうございます！大変失礼をいたしました。修正しました。まだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。 (2017年8月26日 0時) (
レス) id: 7899cbdaa6 (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月25日 19時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nayuta | 作成日時：2017年8月18日 19時
