★ ページ27
(side You)
いつも、表情を崩さずに、黙々とドリンクを作るジュニョンさんしか知らなかった頃は、少し近寄りがたいなとも思っていた。
必要以上は、関わらないほうがいいかもしれない、とも思っていた。
それがどうしてこうなっているのか…。
家の前、ヘルメットをはずせば、「おやすみ」と切ったばかりの髪の毛に通される、ジュニョンさんのゴツゴツとした右手。
まだ、この感覚は慣れなくてしょうがない。
「おやすみなさい」
「また明日な」
「はい」
去っていくバイクの後ろ姿を見ては、ホッと、どういう感情かわからない、ため息。
あの夜から、ずっとこんな感じで、ジュニョンさんは急に甘くなった。
私の、どこがいいんだろう。
そんな、好きになってもらえる要素、一つもないのに。そんな顔して、見つめられると、どうしていいか分からなくなる。
ジュニョンさんが私に触れることも、いつまでも慣れなくて、そのたびに赤くなって、仕事にならない。
でも…こうしていつの日か、彼への気持ちを、忘れていくのだろうか。
階段を上がり、自分の部屋、鍵を開けたら、外と同じくらい、ひんやりとしていた。
もう11月だもの、無人の部屋は冷たくて当たり前か。
荷物を床に無造作に置いて、洗面所の灯りをつける。
鏡に映る自分の髪の毛は、肩までしかない。
ずっと伸ばしていた、背中まであった髪の毛を、思い切って切ったのだ。
特に思い入れもなかったし。何か変えないと、心の中も、変えられないと思ったから。
「なんか、失恋したみたい」
思わず独り言ちて、顔周りの髪の毛に手をやった。
「かわいい」
ほんの数時間前、彼に面と向かって言われたのを思い出す。
そう、思い出すことが、多すぎて、いつまで経っても、忘れられる気がしない。
心機一転の気持ちで髪を切ったのに、あんなこと言われたら…これから鏡を見るたび、スニョンくんを、思い出してしまうかもしれない。
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nayuta(プロフ) - みく@企画垢さん» みくさん、ご指摘ありがとうございます！大変失礼をいたしました。修正しました。まだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。 (2017年8月26日 0時) (
レス) id: 7899cbdaa6 (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月25日 19時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nayuta | 作成日時：2017年8月18日 19時
