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(side Hoshi)
ずっと喋ってる。
スングァン、馴れなれしいんだけど。
そんな氷の視線がバレていたのか、あろうことか彼女に気付かれた。
驚いた顔。
俺も十分驚いていたけど、その顔見たらなんか、気持ちがすーっと晴れていって
(うまいよ)なんて口パクで言ってみたら、(よかったです)と返ってきた。
けれど、なんて返せばいいのか分からなくて、それきり、視線をそらしてしまった。
初めて会ったあの日、彼女の匂いになぜか本能的に惹かれた。だからと言って、一人で店に行けるわけもなく…
ケータリングを頼む次の全体練習の日を心待ちにしていたなんて、誰にも言えないけれど。
でも、意識してからというもの、今日もなかなか近寄れなくて、「今日のヒョン、なんか静かで変なの」とチャンにまで怪訝そうな顔を向けられる始末。
不意に、上から声がした。
「スニョンさん」
「え?
名前…」
「あ、スングァンさんに、聞きました」
「そっか…」
「お皿、もらいますね」
「うん。ごちそうさまでした」
「はい」
「ん、まかったです」
「……」
なんで固まってるんだ?
俺、なんかめっちゃ変と思われたかも。
「あ、ごめんなさい!よかった、です」
なんだか彼女も慌てた様子で、「練習、頑張って下さい」って、そそくさと行ってしまった。
なんか、まずいこと、したんかな。
今日は話せるかもと思っていたけれど、結局交わした言葉はそれだけで。スングァンとかドギョムとなんかめっちゃ楽しそうに話してる彼女を横目に、ダンスのフォーメーションを考える、フリをするしかなかった。
彼女が帰った後の練習室は熱気が再びよみがえり、指導にも熱が入った。
「スングァニ、そこ、もっとここまで腕のフリ、大きくして」
「えー、無理だよ」
「無理じゃない。やってみなきゃわかんないだろ」
「…ヒョン、鬼だね、さっきまで静かだったのに」
「は?」
「さっき、Aちゃんと何話したの?」
「え?別に…」
「なわけないじゃん。Aちゃん、ヒョンのこと可愛いって、なんかはしゃいでたよ」
「え…」
「あ…これ本人に言っちゃダメなやつ、だったかも」
ペロリと舌をのぞかせるスングァン。こいつ、確信犯だな。
というか、可愛いって、なんだよ。
「ヒョンがさ、ハムスターみたいで、可愛かったんじゃない?よかったね。10時10分」
なんてのたまってくるから、ゲンコツをお見舞いしてやった。
なんか、複雑だ。
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nayuta(プロフ) - みく@企画垢さん» みくさん、ご指摘ありがとうございます!大変失礼をいたしました。修正しました。まだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。 (2017年8月26日 0時) (レス) id: 7899cbdaa6 (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月25日 19時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nayuta | 作成日時:2017年8月18日 19時