病弱生徒と優しい先生たち３ (ページ38)

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22話髙橋先生、助けて……! 2 ページ38

髙橋side

「月見里さーん……キツかったら、朝のSHR休む？」

月見里さんの顔を覗き込みながらそう聞いてみると、月見里さんは小さく頷いた。

「分かった。ちょっと担任の冥夜先生にそのこと伝えてくるから、ちょっと待っててね」

優しくそう伝えると、月見里さんが不安げな瞳で僕のことを見る。

今の時間なら、冥夜先生はまだ職員室にいるだろう。

化学準備室を出て、職員室に向かう。

案の定、職員室には冥夜先生がいた。

「冥夜先生、ちょっといいですか？」

「どうした、髙橋？」

僕が声をかけると、冥夜先生がそう聞く。

「冥夜先生のクラスの月見里さんなんですけど……
さっき、化学準備室に来て月見里さんが僕に助けを求めて来たんです」

「えっ！？」

僕がそう言うと、冥夜先生が意味分からないみたいな顔でビックリした声をあげる。

正直、自分で説明してても意味分からなくなるぐらいだ。

「とりあえず、月見里さんが朝のSHRを欠席することを伝えに来ました。
まだ月見里さんから何も聞けてないので状況は分からないですが、必要なら保健室に連れて行きます」

そう報告すると、冥夜先生が月見里さんのことを心配する。

「なんか嫌なことでもあったのかな……
月見里が化学準備室に来た時、どんな様子だった？」

「準備室に無言でノックして、僕がドア開けたら月見里さん下向いて不規則な呼吸してました。
様子がおかしいと思って、とりあえず中に入れてイスに座らせたんですけど、なんか思い詰めてる感じでした……」

冥夜先生に月見里さんの様子について聞かれたので、出来るだけ具体的に状況を説明した。

「そうなんだ……それは心配だな。俺、月見里と話がしたいけど、今日の午前中の授業は全部埋まってるんだよなぁ……」

そう言いながら、冥夜先生はスケジュールを再度確認しようとする。

「僕、1時間目は空いてるので、月見里さんとお話出来ますよ」

そう冥夜先生に伝える。

もし、僕が予定埋まってたら、冥夜先生は無理やりにでも予定を空けようとしていただろう。

どっちみち、僕も月見里さんから話が聞きたかったので全然問題はない。

「髙橋、ありがとう。また状況が分かり次第俺に報告してほしい」

「分かりました」

そして、冥夜先生は職員室から出てクラスの教室に向かったのだった。

僕はまた化学準備室に戻る。