病弱生徒と優しい先生たち３ (ページ37)

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22話髙橋先生、助けて……! 1 ページ37

髙橋side

いつものように、学校に出勤する。

朝練をしている部活動生の声が、学校中に元気に響き渡る。

高海高校の門を通って、職員室でタイムカードを入れる。

そして、化学準備室に向かう。

門の前やクラスの教室棟周辺では、登校している生徒たちが見えたが、理科棟に入ると人がほとんどいない。

静かな廊下を進み、化学準備室の鍵を開けて中に入る。

準備室の電気を付けて、パソコンの電源を入れてから荷物を置いた。

今日の化学の授業は2時間目からなので、やるべき事務作業の準備をする。

パソコンのファイル整理を少しだけして、ひと息つく。

水分補給をしながら、今日の予定を頭の中でまとめる。

少しボーッとしていると、いきなり化学準備室のドアのノック音が2回鳴った。

反射的にイスから立ち上がり、ドアまで近づこうとする。

しかし、ノック音以外に声など何も聞こえないので、奇妙に思いながらもゆっくりドアを開く。

(ひぇっ……！！！)

「えっ……！月見里さん！？」

緊迫な空気で、息切れをしながら下を向く月見里さんの姿があった。

「髙橋先生……助けてっ……！」

過呼吸寸前かのような状態の月見里さんに、僕は酷く驚いた。

月見里さんの様子がおかしい……

「どうしたの！？とりあえず、1回中入って！」

すぐに、月見里さんを準備室の中に入れて、イスをもう1つ用意して座らせる。

そのまま準備室に直行したのか、月見里さんはカバンを下に置く。

月見里さんは、下を向いて左手で胸を押さえながら不規則な呼吸を落ち着かせようとする。

「はっ、はぁはぁ……」

月見里さん、一体どうしたんだろう……

月見里さんが今どういう状況であるのか知りたいので、月見里さんの近くに来て静かに様子を見る。

不規則な息づかいをして、何か悩みごとがありそうな様子だ。

悩みがあるのかどうか聞き出したいが、今はそっとしておいた方がいいだろう。

とりあえず、月見里さんが朝のSHRに参加出来なさそうなら、担任の冥夜先生に伝えなきゃ。

そう思い、月見里さんに一応聞いてみる。