病弱生徒と優しい先生たち３ (ページ36)

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21話告白の返事 6 ページ36

月見里side

「あの金髪の子、とても優しいね」

“これからも友達だから”って部分から聞こえてしまったと言う寝占先生。

うそ……あの下りから見られてたのか……！

なんか、ほとんど察してそう。

そう思いながらも、寝占先生に話す。

友達の野田くんに告白の返事をしていたけど、
私が別に好きな人がいたから断ったこと、

野田くんに“これからも友達だから”と言われて、

どうして野田くんのことを好きになれなかったんだろうって思って泣いていたこと。

寝占先生に、校舎裏に来た時からの話をすべてした。

よく考えたら、なんか寝占先生に恋愛相談してるみたいになってる……！

「月見里は、友達として、その……野田のことをすごく大切に想ってるんだね」

寝占先生がそう感想を述べた。

確かに、野田くんは大切な友達だ。

っていうか……寝占先生、今私の名前呼び捨てで言ったよね！？

文化祭の時とか、今さっきまで私のことを“さん付け”してたのに。

でも、親しみの意味を込めて呼んでると思うので、嫌な気分にはならない。

寝占先生って、意外とコミュニケーション能力高そう。

結構グイグイと話してくるけど、全然嫌な感じしないし、むしろもっと話したくなる。

気付けば、寝占先生のオーラに引き込まれていた。

「月見里って、それぐらい今片思いしている人のことが好きってことなんじゃないかな？」

寝占先生の言う通り、確かに髙橋先生のことがすごく好き。

だけど、髙橋先生は“先生”だから、そんなこと絶対誰にも言えないけど。

本人にも言えないけど、今恋愛相談に乗ってもらっている寝占先生にすらも言えない……

「本気で誰かを好きになるってことって、なかなか出来ることじゃないから、その気持ちを大切にしたらいいと思うよ」

寝占先生の大人なアドバイスをもらって、なんだか元気をもらえた。

「寝占先生、私の話聞いてくれてありがとうございました。
寝占先生の言葉で少し元気になれました！」

私は、寝占先生の目を見ながら笑顔でお礼を言った。

寝占先生も自然と笑顔になる。

「月見里、頑張れよ！」

寝占先生から応援された。

ありがとう、寝占先生……

スッキリとした気持ちで、少し化学部に参加したのだった。