20話 持久走で貧血 3 ページ29
月見里side
キーンコーンカーンコーン……
気付けば、4時間目が始まるチャイムが鳴った。
4時間目のチャイムが鳴って数分後。
体調が良くなったので、身体を起こしてベッドから出る。
そして、おそるおそるベッドのカーテンを開ける。
「和田先生……」
「月見里さん、もう体調は大丈夫？」
和田先生が私の方に来て、体調の心配をする。
「はい、もう大丈夫です。すいません、また保健室利用してしまって……」
申し訳なくなって、和田先生にそう謝る。
「あんまり気にしないで。全然大丈夫だよ。体育の授業で体調不良になって保健室に来る生徒、意外と多いから」
和田先生がそう言ってくれる。
私の制服の着替えを和田先生から受け取る。
そういえば、彩が保健室に届けに来てくれたんだった。
ベッドのカーテンを閉めて、制服に着替える。
そして、イスに座って体温計を測った。
「36.6度。体温は大丈夫そうだね」
和田先生はそう言いながら、体温計を片付ける。
和田先生は私の向かいのイスに座り、体調のことを話す。
「今日、持久走だったんだね。月見里さんが保健室に来た時は顔色青白かったけど、今は顔色良くなってるね。貧血気味だったのかな」
和田先生がそう分析する。
「そうですね。確かに、足を高くして横になってたら治りました。脳に血が足りてなかったのかもしれませんね」
私も体調について振り返る。
「そういえば、文化祭の化学部の出店とても良かったよ！」
和田先生がそう褒めてくれた。
確か、和田先生は1日目に化学部の出店に来てたと思う。
文化祭をしたのは2日前ぐらいなのに、まるで数ヶ月前にやったような錯覚に陥る。
もうすでに、文化祭の思い出が懐かしく感じる。
「今4時間目の途中ですが、今から授業に参加したいと思います」
私がそう言うと、和田先生がある紙を記入する。
「月見里さん、4時間目の教科担当の先生にこの紙を渡してね」
和田先生がそう言いながら、記入した紙を渡す。
ちなみに、保健室利用して授業に遅れる場合に渡す紙のことね。
保健室を出て、体育着が入ってる巾着袋と保健室の紙を持ちながら、1年6組の教室に向かう。
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作者名：青菜(あおな) | 作成日時：2023年3月27日 14時
