20話 持久走で貧血 1 ページ27
月見里side
土日の文化祭が終わって、代休の月曜日を経てからの火曜日のこと。
3時間目の体育の授業。
「えー、なんで持久走！？」
「ホントに嫌なんだけど！」
「やりたくなーい」
6組の生徒たちや体育の授業が合同の3組の生徒たちも持久走にブーイングしていた。
体育は男女に分かれて、2クラス合同の女子だけで行っている。
だから、男子は外でマラソンするらしい。
10月だからって、わざわざ運動場で持久走をすることないでしょ……
この前生理終わったからいいものの、もし生理中だったら絶対終わってたよ。
はぁ……持久走嫌だな……
そして、3組と6組の女子全員で運動場を走る。
しかも、距離が決まってなくてずっと走り続けなければならない。
中学生の時は、持久走3kmみたいな感じで距離決まってたのに、
なんで高校生になったら、ずっと走り続けなければいけないの。
(ずっと走り続けるとか、頭悪そう……)
そう悪態をつきながら運動場を走り続ける。
彩はバスケ部なので、持久走の列の先頭を爽快に走り続けている。
彩の涼しく走る姿が心底羨ましい……
私は運動場3周目から既にバテバテ。
列の後半ぐらいを走って、今では先頭の人に追いつかれそうなレベルだ。
走るのをやめて歩こうとしている人は、体育の先生にどんどん叱られていく。
そして、叱られた生徒はまた疲れながらも走り出す。
「はあっ、はあっ……」
いや、マジでどんだけ走らないといけないの。
キツくなってきたし、だんだん気持ち悪くなってきた。
そろそろ走るのやめたい…………
そう思ってもみんな走り続けてるので、私だけ走るのをやめる訳にはいかない。
(うう……気持ち悪い……)
そう思ってから、しばらくすると視界がだんだんぼやけてきた。
なんだか、身体がフラフラする。
待って、ヤバい…………
見えにくい視界が急にパッと白くなった。
気づいたら、みんなが走っている運動場のコースを避けるような形で抜けて、運動場の輪の中で体育座りの状態でしゃがみ込んだ。
「はあっ、あっ、はあはあっ……」
自分の荒い息づかいだけが大きく聞こえる。
急に走るのをやめたため、心臓の音がずっとドクドクと鳴って脈打つような感覚になる。
なんだが、胸が痛い…………
胸を押さえる左手が、思わず震えてしまう。
20話 持久走で貧血 2→←19話 文化祭2日目(後夜祭) 3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青菜(あおな) | 作成日時：2023年3月27日 14時
