病弱生徒と優しい先生たち３ (ページ25)

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19話文化祭2日目(後夜祭) 2 ページ25

月見里side

「その気持ちは嬉しいけど、ごめん無理。
俺は先生で君は生徒でしょ？だから今まで通り先生として今後も接するからな」

冥夜先生が、女子高生の告白を断った。

振られた女子高生は泣きながら去る。

私が振られた訳じゃないのに、私もすごく悲しい気持ちになる。

壁に持たれながら夜空を見上げ、ため息をつく。

先生と生徒か……

やっぱり無理だよね。

先生と生徒の壁を大きく感じた。

どうして、私は髙橋先生の事が好きなんだろう……

こんなに辛い思いするのなら、先生を好きになることをやめたい。

でも、やめたくても好きという気持ちはなくならない。

好きになるのをやめるスイッチとかあればいいのに……

そう考えながら、ボーッとしていた。

「盗み聞きとは趣味が悪いな」

急に私の目の前に冥夜先生が現れた。

「ヒェッ……！」

思わず小さな悲鳴が出る。

「月見里、物陰からスカートの端がぴょこっと見えてたぞ！」

冥夜先生がそう言いながら大笑いする。

「えっ、うそ……！すいません！」

あまりの恥ずかしさに、冥夜先生から目線を外しながら必死に謝る。

「まあ、俺もこんな場面見せちゃってごめんな」

冥夜先生がそう謝ってくれるけど、これは聞き耳立てた私が悪い。

「いえ、これは私が悪いんです！……あっ、もうそろそろ後夜祭が始まりますね！私、ダッシュで体育館行ってきます！」

冥夜先生にそう伝えた後、私は冥夜先生から逃げるように体育館まで走った。

「わざわざ走って逃げることないのに」

1人残された冥夜先生がそう呟いたのだった。