病弱生徒と優しい先生たち３ (ページ21)

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19話文化祭2日目(全員集合?) 1 ページ21

寝占side

冥夜先生と一緒に化学部の出店の中に入り、今ラムネ作りをしている。

俺のクラスの藤田が元気そうに活動してて良かった。

今週の水曜日、藤田が体調崩していたのを見ていたのでそう思った。

粉砂糖、コンスターチ、重曹とクエン酸を混ぜて……

そこにかき氷シロップを入れて、スプーンですり潰すように均等に混ぜる。

「意外と粉っぽいけど固まってラムネになるのか……」

隣で一緒に混ぜている冥夜先生がそう呟く。

(えっ、粉っぽい！？)

「うそ、俺のところ水っぽいんだけど！」

材料を混ぜた物を冥夜先生に見せると、ビックリしていた。

冥夜先生の小さな深皿を見ると、確かに粉っぽい。

「俺のところ水多いのかな？」

そう思い、ちょうど近くを通りかかった冥夜先生のクラスである女子部員に声をかけた。

「すいません、今材料混ぜたんですけど俺のやつなんか水っぽい気がして……」

そう聞くと、女子部員が真剣そうに俺が混ぜた物を見る。

「確かに、水多いですね……もしかしたら、水の分量を測り間違えたかもしれないので、すいませんが新しいの持って来ますね」

女子部員がそう言うと、今のキットを全部回収して、新しいキットがたくさんある場所に向かう。

たくさんある新しいキットの中から、トレーごと1つ取り出して、あらかじめ材料を入れていたであろう小さな紙コップを1つずつ計量器に乗せる。

冥夜先生から、あの女子部員の名前を教えてもらった。

その女子部員は、月見里と言うらしい。

あらかじめ用意されていた材料の重さが合ってるかわざわざ確かめてくれていることに驚き、これには月見里の対応の丁寧さを感じた。

そして、新しいキットを持ってきてくれた。

「分量確認したので今度は大丈夫です！」

月見里が笑顔でそう伝える。

「月見里さん、ありがとう！」

俺がそう言うと、月見里は名前を呼ばれたことにビックリしていた。

「俺が教えたよ！名前聞かれたから」

冥夜先生が月見里にそう説明する。

月見里は照れていたのか、少し顔が赤くなっていた。

そして、再度ラムネ作りを始める。

冥夜先生の方は型に入れたあと、1つずつ型から取り出す作業をしていた。