病弱生徒と優しい先生たち３ (ページ20)

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19話文化祭2日目(化学部) 3 ページ20

月見里side

「おっ、月見里！」

(えっ、冥夜先生来てる……！)

名前を呼ばれて振り返ると、第2生物室の入口に冥夜先生がいた。

冥夜先生の横にもう1人、男性の先生がいる。

「冥夜先生と寝占先生！」

今化学部の出店を手伝っている髙橋先生も気付く。

冥夜先生は、髙橋先生にも気付いて興奮しているようだ。

「藤田の担任来てるぜ！」

牧野先輩がそう言うと、藤田先輩も先生が来たことに気付く。

「寝占先生！来てくれたんですね！」

藤田先輩は、先生たちのところに行きながらそう言った。

どうやら、冥夜先生の隣にいる男性の先生は藤田先輩の担任の先生らしい。

あの人は、2年生の先生なんだね。

「寝占先生のクラスにも化学部の部員いたんですね。俺のクラスにもいますよ。今あそこにいる可愛い女の子なんですけど」

「きゃっ！！！」

冥夜先生が急に大きな冗談を言うので、持っているトレーを落としそうになって、野田先輩に手ごと支えてもらった。

野田先輩に正面からトレーを支えてもらったおかげで中の材料をこぼさすに済んだが、

片手だけ野田先輩から握られてる状態になったので、死ぬほど恥ずかしかった。

野田先輩にお礼を言ってすぐに手を離してもらったが、

部員だけでなく絶対先生たちにも見られた……！

もう恥ずかしすぎて、無理！

「ちょっと冥夜先生、いきなり変なこと言わないで下さいよ！」

入口前に来て、狭い台にトレーを置きながらそう注意した。

「はははっ」

私の言葉に冥夜先生が大笑いするし、藤田先輩の担任の先生まで笑い出す始末。

とりあえず、この先生たち早く案内するか。

そう思い、少し不機嫌になりながら空いている席へ案内した。