病弱生徒と優しい先生たち３ (ページ15)

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19話文化祭1日目(化学部) 5 ページ15

月見里side

「冥夜先生も来てたけど、特に今日は結構忙しいらしい。かろうじて6組の出し物だけ少し様子見に来てたけど、先生も大変そうだよね」

野田くんの言う通り、確かにみんな大変そう。

「冥夜先生、明日だったら出店回れそうって言ってたから、6組の出店もそうだけど、もしかしたら化学部の出店にも来るんじゃない？」

なるほど、野田くん情報だと明日冥夜先生が来るかもしれないってことね。

野田くんは少しだけ様子を見て、また6組の出店へと帰って行った。

そして、15時ぐらいになって、髙橋先生が化学部の出店の助っ人から抜けた。

再び、野田先輩と藤田先輩、牧野先輩、私の4人体制に戻る。

忙しさがピークになった時……

「藤田ー！キット足りなくなりそうだから、俺、分量測って材料用意してくる！ここのお客さんの方お願ーい！
野田ー！席空いたから、新しいお客さん3名誘導してー！」

牧野先輩が的確な指示を出していく。

いつもののんびりとした姿とは想像出来ないぐらい、周りを見ながらテキパキと仕事をこなすカッコイイ牧野先輩の姿があった。

それは、まるでバイトリーダーのようだった。

さすが、普段からアルバイトをしてるだけあるよね。

牧野先輩、頼りになる！

そう思いながら、小さな深皿を洗い終えて、百均のプラスチック製のトレーを洗っていると、

「月見里さん、トレー足りないから急いで補充してほしい！」

そう言いながら、牧野先輩がトレー待ちしている。

「ええい、仕方ない！比較的きれいなトレーは石鹸洗いなしで、こうやって拭いて補充しよう！！！分かったか！？」

牧野先輩が、急に変顔して大げさな動作をしながら、手際良くトレーを拭いて補充し始める。

(ブフッ……！)

無理、これ絶対笑わしに来てるだろ！！！

牧野先輩の言葉と声のイントネーションが面白すぎて、思わず野田先輩と藤田先輩、私の3人で大爆笑した。

忙しい中だけど、牧野先輩のユーモアに救われて化学部メンバーは元気をもらった。