19話 文化祭1日目(化学部) 1 ページ11
月見里side
今日は文化祭！
化学部のラムネ作りの出店が始まる。
化学室ではなく、理科棟の階の低い2階にある第2生物室で行われ、野田先輩、藤田先輩、牧野先輩、私の4人で店番をすることになっている。
私は集客をするという役割があるので、2階の第2生物室の入口前に立っている。
クリアファイルサイズの小さな看板を持って、近くをまわりながら集客をする感じ。
先輩たち3人は、中でラムネ作りの作り方を教えたりなどする役割である。
文化祭が始まって数分だからまだ人は来てないけど、めっちゃ緊張する……
私が集客してて人全然来なかったらどうしよう、宣伝すら誰にも相手にされなかったらどうしよう、って考えてしまって不安になる。
そう思いながらしばらく待っていると、親子連れのお客さんが近くに来た。
「第2生物室でラムネ作りやってます！」
「ラムネつくれるの？つくりたーい！」
小学生ぐらいの女の子が興味を持ってくれた。
「あちらの部屋でラムネ作れますよ！」
すぐそこにある第2生物室までを誘導した。
1人目のお客さんが来て、野田先輩が席に誘導する。
藤田先輩が、小さなトレーに乗せたラムネ作りのセットを机に置いて、ラムネ作りの説明をしていく。
牧野先輩は、材料の分量を測ってラムネ作りのセットを作り続けている。
私もそうだが、初めてのお客さんなので先輩方は少し緊張していた。
全体的に文化祭が盛り上がったころ、化学部の出店も少しづつ増えていった。
理科棟は学校の入口から割と奥の方なので、色んな出店を回ってから通る場所となる。
なので、お客さんが来るまでは少しラグがある。
今では宣伝しなくともお客さんが入るのではと思うレベルで、思ったより多くお客さんが入っている。
ラムネ作りは子どもに人気があって、親子連れの人が多いイメージ。
中学生ぐらいの子も何人か来ている。
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作者名：青菜(あおな) | 作成日時：2023年3月27日 14時
