病弱生徒と優しい先生たち３ (ページ2)

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16話密かな片思い 2 ページ2

月見里side

ここの学校の生徒は、イケメンな冥夜先生を好きになりがち。

冥夜先生は異常にモテるし、

私の高校である高海高校の女子高生から

“片思い泥棒”と呼ばれている。

生徒が先生に片思いしてる時は、ほぼ全員冥夜先生に対してだろうって思うぐらいだ。

でもよく見たら髙橋先生だって、カッコイイと思うのに……

多分、髙橋先生に対してフィルターがかかっているかもしれない。

そんな私ですら、1番イケメンなのは冥夜先生だと思う。

これだけは本当に認める。

いつも冷静で落ち着いていて、見た目クールな感じが好き。

身長高めだし、クールな顔、丁寧な仕草などどれを取っても全部が好き。

大人って感じ。

化学の授業中と部活で関わっている時の、髙橋先生のギャップに惚れる。

授業の時は冷静で真面目な感じで、

化学を教える時だけ敬語使っててクールな印象だけど、

部活の時はテンションが高めで敬語が取れてタメ口になる。

部活の時が1番親しみやすく感じる。

他の生徒たちからは話しかけづらそうって思われてるかもしれないけど、

髙橋先生は意外と話しやすい人だ。

メガネを触る仕草も好き。

髙橋先生は、よく目の端のメガネの丁番(ヒンジ)を人差し指か中指で触るクセがある。

その仕草をした後、髙橋先生は真っ直ぐな目をするのだ。

ちなみに、メガネを触るクセはもう1つある。

たまにだが、メガネのブリッジを中指で触って上に少し上げるクセだ。

ここまで観察してしまう自分が、なんだか気持ち悪いと感じてしまう。

家に帰った時、メモ帳目的でたまに使っている録音を聞いて、メモしてデータを削除する。

それを繰り返して、覚えるべきことは覚えるようにしている。

その作業をしている途中、たまたま入っている髙橋先生の音声を聞いて、すごく良い声だと思ってしまう私は重症である。

ずっと聞いていたいと思うのはおかしい、変だ。

録音機をやましいことに使ってはいけない。

そもそも、そういう目的では使いたくない。

そう思い、覚える内容をメモした後にすべてデータを削除した。

先生のことを好きになるのはおかしいこと。

私は生徒であるということを自覚しなければならないのだ。

時々、好きという感情が溢れそうになるけど、それでも自分にそう言い聞かせる。

あくまで、

“ただの生徒と先生だ” と。