▽ Alan side ページ6
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『……好きって残酷だよね』
俺に背を向けてベッドの上に座りながら俺の手によって脱がされたスカートを履く彼女がそう言葉を発した。
どこかその目は虚ろで抱きしめたくなった。
白濱「え?」
『好きな人を見続けてもその人は私じゃない死んだ違う人を見てて、私の気持ちは永遠に届かない。
こんなに…辛いことは無いよ。だって、死んでる人に勝てないんだよ?私、生きてるのに。』
なんで、涼太の事言うんだよ。今Aの隣にいるのは俺なのに。なんて前までの俺だったら思ってたんだろうな。
……もう、Aを抱く時Aの口から俺の名前は一切出ないで涼太の名前が出ることにすら慣れてしまった。
慣れというのは恐ろしいものだとつくづく思う。
白濱「じゃあ俺と一緒に」
『それは無理。』
“じゃあ俺と一緒に幸せになろうよ”そう言いたかったのに最後まで言えないまま遮られ、俺を見て鼻で笑ったAが怖かった。
白濱「っ、」
『あなたにとってはメリットがあるかもしれないけど、私にとってはなんのメリットがない。
あなたと一緒にいても私は辛い。あなたといると…涼太くんを思い出して苦しくなる。』
白濱「俺は…Aが好きだよ」
『やだ!!!!!!!!!!!!』
大声を出して いやだ、嫌なの、いやだ、 って繰り返しながら子供のように駄々をこねるAを抱き締めたかった。
好きなものに一途なAが、可愛いと思ったから俺は一緒にいるはずなのに、気が付いたら俺は……“A”が欲しいと思ってた。
白濱「A、」
『私はあなたの事を好きじゃない。私は、涼太くんが好きなの、涼太くんじゃなきゃ嫌なの、涼太くんじゃなきゃ、──────嫌!!』
俺はいつからか、AだけじゃなくてAの気持ちまで欲しいと願うようになっていた。
例え身体を手に入れることが出来ても心を手に入れることがどれほど難しいのか。
俺とAは、似た者同士なのかもしれない。
“ずっと見続けていたらいつかは見てくれるんじゃないか”
……それが叶う事がないと分かっているのは、他の誰でもない自分なのに。
白濱「…─────A、」
何度呼びかけても俺の声なんて彼女に届くわけがないのに。
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莉央奈(プロフ) - 内容が残酷で深くてすごく面白かったです! (2019年2月23日 12時) (レス) id: 454ae124db (このIDを非表示/違反報告)
ぴーゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます!ラベンさんの作品めっちゃ好きで、このシリーズも最初から読んでました!!!完結したらちょっとさみしいけどずっと応援してます!! (2019年2月19日 19時) (レス) id: ce51d072e7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - このシリーズはじめから読んでてほんとに内容が深くて毎回更新楽しみにしてました、!今回の話がバッドエンドで、自分もバッドエンドの話がけっこうスキなので、余計に更新が待ち遠しいです、、、 (2018年12月22日 14時) (レス) id: c161f68fab (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる(プロフ) - コメント失礼します、音子ちゃんはなんのお話に出てくる方ですか?? (2018年9月8日 15時) (レス) id: f7363ed3ba (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。お話頑張って下さい (2018年9月8日 13時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2018年6月28日 18時