解けない鎖が心に絡み付いた

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七瀬｢“喪失感”って、あなた知ってる？｣




冷たくて冷たくて、怖かった。




七瀬｢登坂さんと琴音のおかげで私は何度も何度も学んだ。時には手を引かなきゃならない時だってある｣

『な、なんでよ、』




だからね、そう続けた音子ちゃんは優しく言った




七瀬｢今ならまだ間に合うから。今、謝って手を引けば全部なかったことにするわ。｣




お願い分かって。そう、言った音子ちゃんに女は突然笑い出す。




『ふははは、あはははっ！！！……ふざけないでよ、ふざけんな！！！！！そんな生半可な気持ちでこんなことやってるわけじゃない！！！！』

七瀬｢Aさん｣

『もういいよ、どうせそうやって自分の記事が出ないようにしてるんでしょ？！？！』

七瀬｢違うって、なんでそうなるの？｣

『うるさい、うるさい、うるさいうるさいうるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい！！！！！！！』

七瀬｢聞いて！！お願い、今ならまだ引き返せるの、｣

『黙って！！！！！！！！！！！！』





──────────パシン、

音子ちゃんの頬に女の手が当たった。





片寄｢っ、おい！！！！｣




思わずよろけた音子ちゃんを僕が支えればキッと睨んでくる女。

静まり返った楽屋に、女の笑い声じゃない、違う聞いたこともないような乾いた笑い声が響いた。




七瀬｢ふっ、ふふふ、ふはははっ、｣

『な、によ、』

片寄｢音子ちゃん？｣

七瀬｢あなた、何勘違いしてるの？｣

『……は、』

七瀬｢大切な大切な音子ちゃん？笑わせないでよ｣




音子ちゃんの肩が揺れていて思わ手を離せばゆらりと顔を上げた音子ちゃん。








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