▽ ページ31
.
中務｢……ええ加減にせぇや。もう、みんな結局同じやんか。｣
白濱｢は、？｣
中務｢涼太くんと玲於はAちゃんと音子を守りたいだけなんやろ？｣
片寄｢……そうだよ、死んでまでAを悪く言われんのが嫌なんだよ。Aを傷付けるのはメンバーでも、例え相方でも許さん。…そう言ったはずや｣
思い出したように瞳に怒りの色を加えて亜嵐くんを見た。
片寄｢確かに、Aの生き方は胸張れるもんじゃなかった。だけど、迷って、沢山迷って、これからだって時に死んで……
Aが死んでも世界は何事も無かったように動いていつも通り起きて仕事に行って帰ってくる。この、ただ単純な、なんでもないループが、どれだけ辛いか｣
知らんやろ。って、嘲笑う涼太くんに、背筋が凍った。
佐野｢音子だってさ、あんだけよく笑うやつだったのに、一時期笑えなくなってボロボロになって。なのにやっと立ち直って少しだけだけど笑えるようになってきたんだよ、知ってんだろ？｣
中務｢それは分かってる。みんな、LDHのみんな、ちゃんと分かってる。そうやろ？……なぁ、亜嵐くん｣
このままやったら話はまとまらん。そりゃそれぞれ言いたいことは沢山ある。って思ったけど、時間になっても来ない俺らを心配してるのか楽屋の外でスタッフさん達が走ってるのが聞こえてんねん。
震える足を必死に動かして亜嵐くんのそばに座り込んだ。
白濱｢……ん、｣
中務｢やったらもう1回ちゃんとAさんと話すべきやろ｣
白濱｢え、？｣
中務｢もう1回、亜嵐くんじゃあかんのか、ちゃんと落ち着いて話して、それであかんのやったら金でも渡して腹ん中の子おろすでも何でもすればええ。｣
そんなこと、させたくないし、でもそうしなきゃお腹の子が報われん。
なんのために存在したんか、分からんくなってまう。
中務｢ちゃんと亜嵐くんを見ぃひんやつと一緒におったって亜嵐くんは幸せになんてなれんよ。｣
白濱｢っ、……｣
中務｢この状況を変えられんのは亜嵐くんしかおらんの、もう気付いとるやろ？｣
佐野｢頼むよ、亜嵐くん｣
もう、亜嵐くんは怒鳴ることをしなかった。
ただ下を向いて唇を噛み締めて泣いているだけだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 403人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉央奈(プロフ) - 内容が残酷で深くてすごく面白かったです！ (2019年2月23日 12時) (
レス) id: 454ae124db (このIDを非表示/違反報告)
ぴーゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます！ラベンさんの作品めっちゃ好きで、このシリーズも最初から読んでました！！！完結したらちょっとさみしいけどずっと応援してます！！ (2019年2月19日 19時) (レス) id: ce51d072e7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - このシリーズはじめから読んでてほんとに内容が深くて毎回更新楽しみにしてました、！今回の話がバッドエンドで、自分もバッドエンドの話がけっこうスキなので、余計に更新が待ち遠しいです、、、 (2018年12月22日 14時) (レス) id: c161f68fab (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる(プロフ) - コメント失礼します、音子ちゃんはなんのお話に出てくる方ですか?? (2018年9月8日 15時) (レス) id: f7363ed3ba (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。お話頑張って下さい (2018年9月8日 13時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラベン
| 作成日時：2018年6月28日 18時
