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『ねぇ、七瀬音子って不倫してたの?』
七瀬音子の話を聞いたその日の夜、床の上にゴロゴロ寝っ転がって携帯をいじってる亜嵐に聞いてみた。
すると今までに見たことないくらいに驚いた顔をしてこっちを見る。
白濱「……それ、誰に聞いたの?」
『いや、なんて言うか……風の噂?で、』
白濱「嘘だよね、それ。誰から聞いたの?」
『誰からだっていいでしょ?それに私は確信も何も無く聞いたのにそんな反応されると……事実だったんだって分かるんだけど?』
ニヤリと笑って言ってみせると亜嵐の顔は強ばって携帯を投げ出して私の所へ近づいてくる。
白濱「音子ちゃんは不倫なんて、浮気なんてしてない。」
『……は?』
白濱「頼むから、音子ちゃんの事悪く言わないで」
クシャリと綺麗な顔が歪んだ。
なんで、なんでそんな顔するの。
白濱「音子ちゃんは、そんな事しないんだよ、」
『……でも、そういう噂が流れるってことは』
白濱「音子ちゃんは!!!!!!!…そんなこと、しないから。」
『な、んで…そんな、怒るの?!?!
私なんか悪いこと言った?知りたいことを聞いただけなのに、なんで?!』
白濱「どうせそれも涼太のためだろ?!」
『当たり前じゃん!!!!私は涼太くんが好きなんだもん!!!!』
白濱「っ、……はぁ、頭、冷やそう」
『私は、私は涼太くんが好き。なんで死んだ人間に負けなきゃいけないの?なんで、なんで涼太くんは私を振り向いてくれないの?!?!』
そう言った私に冷ややかな目線を送る亜嵐。
ねぇなんで、そんな目で見ないでよ。
私はただ涼太くんが、好きなだけなのに。
白濱「よくAは俺の目の前で涼太の話、出来るよね。少しは俺の気持ちとか考えたりしねぇの?」
『……なんで、』
白濱「……あっそ、」
そう言って押し倒されて、ベッドへ沈む。
激しく脳を揺さぶるように律動を繰り返す彼は
早く、俺を好きになってよ なんてどこかの少女漫画で出てきそうなセリフを喘ぎながら囁く。
そんな声を耳元で感じながら私は目を閉じた。
─────────── ジワリ、と中に温かいものが広がる感覚を受け止めながら
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莉央奈(プロフ) - 内容が残酷で深くてすごく面白かったです! (2019年2月23日 12時) (レス) id: 454ae124db (このIDを非表示/違反報告)
ぴーゆい(プロフ) - 完結おめでとうございます!ラベンさんの作品めっちゃ好きで、このシリーズも最初から読んでました!!!完結したらちょっとさみしいけどずっと応援してます!! (2019年2月19日 19時) (レス) id: ce51d072e7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - このシリーズはじめから読んでてほんとに内容が深くて毎回更新楽しみにしてました、!今回の話がバッドエンドで、自分もバッドエンドの話がけっこうスキなので、余計に更新が待ち遠しいです、、、 (2018年12月22日 14時) (レス) id: c161f68fab (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる(プロフ) - コメント失礼します、音子ちゃんはなんのお話に出てくる方ですか?? (2018年9月8日 15時) (レス) id: f7363ed3ba (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。お話頑張って下さい (2018年9月8日 13時) (レス) id: 39b5516bcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2018年6月28日 18時