解けない鎖が心に絡み付いた

▽ You side ページ8

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これは流石にやらかした。




グイグイ行き過ぎた。完璧嫌われてしまった。




冷や汗が額を伝った時、涼太くんが出て行った扉が開いた。




もしかして涼太くんが“さっきは言いすぎたごめん”なんて言って来てくれるのかなぁって。




でも違った。




入ってきたのは涼太くんじゃない。





佐野｢……あのさぁ、｣





扉のすぐ横の壁に寄っかかって足と腕を組んで立っている佐野さん。





『なんですか』





期待した私が馬鹿だった、ってことか。




近くの椅子に座って佐野さんを睨みつければ体制も睨んでくる目も崩すこと無く見てくる。




あぁこれが涼太くんならなぁ。




どんな目でもどんな感情でも私の事を見てくれるならいい。




無視されるよりもマシなんだ。




何年か前のドラマでもこんなセリフあったような気がする。




そんなことを思って自嘲気味に笑えば大きなため息を付いた佐野さんがスラスラと言葉を発した。





佐野｢いい加減にしてくんね？

涼太くんにも亜嵐くんにも近寄んなよ。亜嵐くんが何を間違えてお前の事好きになったのかはまじで意味不明だけどさ。

頼むから俺の大切な人これ以上掻き乱すなよ｣


『……そんなん、』


佐野｢あ？｣


『そんなん知らない！！！！！私は涼太くんが好きなの！！！亜嵐は、亜嵐はね、こんな私でもいいって言ってくれたの！

そんな彼を、涼太くんと同じグループの彼を使わないでどうするのよ！！！』


佐野｢狂ってんのな｣


『狂ってるだって壊れてるだってなんだって言えばいいじゃない！！！！

私が好きなのは涼太くん！涼太くんさえ手に入れば他はいらない！涼太くんさえいてくれればいいの！！！』


佐野｢だから！！！！！！！！！！｣





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