【BSR】泰平の世が訪れるまで (ページ6)

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「ふふ、最近新しく小姓も迎え入れてね。彼はお茶を淹れるのがとても上手なんだ」

今度紹介するよ、と話しながら歩く。半兵衛か足を止めたのは一際豪勢な襖の前だった。

「秀吉、入るよ。ぜひ豊臣に迎え入れたい医者を連れてきたんだ」

案内されるまま、部屋へと踏み入れる。

そこにおられたのは豊臣軍総大将、豊臣秀吉。富国強兵を掲げ、天下を狙うと耳にしたことがある。

「医者と言ったな」

「白菊と申します、豊臣秀吉様。こうしてお目にかかられること光栄に思います」

「うむ、ちょうど腕の立つ軍医を探していたところだ。半兵衛が連れて帰ったのならば医者としての腕は間違いないのだろう。我が軍に歓迎しよう、白菊」

どうやら半兵衛は秀吉から絶対的な信頼を得ているようで、間者か否かを疑われることなく豊臣に迎え入れられた。

「秀吉様、半兵衛様お茶をお持ち致しました」

「おや、ちょうどいいところに」

丁寧な動作で襖を開けて入ってきたのは小姓だった。

研がれた刀のような銀の髪、幼くありながら鋭さを持つ視線。将来は立派な武将になるだろう。

「白菊、さっき話していた子だよ。佐吉君と言うんだ」