今日:10 hit、昨日:17 hit、合計:496 hit
小｜中｜大
32 ページ34
「あなたには心配をかけてしまいましたね」
もう大丈夫です、と彼女は庭に降りて穏やかな陽光の下に姿を現した。
半兵衛に似た白い髪と、本紫色の双眸はこの世のものとは思えないほどに美しい。
「私とて姫である前に戦に出る武将です。いつまでもくよくよしていられません」
大阪城に置いてきてしまった得物の旗槍の代わりを今城下の鍛冶屋に頼んでいるところだ。掲げる旗は豊臣の五七桐でも、竹中の九枚笹でもない。石田の大一大万大吉である。
「やれ姫君よ、勇ましいのは良いことだが三成の仕事を奪うでない。ヌシは三成との子を成すことが仕事であろ」
「刑部さん結構ズバズバ言いますよね…でも俺も同感っす、姫って城で待つのが普通っしょ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
