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「あの方もとても心配しておられますから」
「…そう、ですね」
涙が溜まりかけていた目元を拭って、紫乃は立ち上がった。襖に手をかけて、白菊に視線を向ける。
「私、もう泣きません。この先どんなことがあろうとも」
「はい、いってらっしゃいませ」
頭を下げたままの白菊に会釈をして三成の元へと向かった。この時間は庭で鍛錬しているはずだ。
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「い゛っ…!」
「左近、戯れるな。もう一度刀を取れ」
「もう一刻もやりっぱなしじゃないっすか!もう手の感覚もねぇし…」
疲労困憊の左近はそのまま大の字になって寝転んでしまった。しばらく動けないだろう。
「精が出ますね、三成 左近」
「だぁ〜紫乃様!もう俺今日は無理っす!限界っすよ!三成様にもそう言ってくれません?」
「左近、紫乃様に向かってその口の聞き方はなんだ」
「いいのです、とても疲れているようですから」
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