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「あの方もとても心配しておられますから」


「…そう、ですね」


涙が溜まりかけていた目元を拭って、紫乃は立ち上がった。襖に手をかけて、白菊に視線を向ける。


「私、もう泣きません。この先どんなことがあろうとも」


「はい、いってらっしゃいませ」


頭を下げたままの白菊に会釈をして三成の元へと向かった。この時間は庭で鍛錬しているはずだ。


──────────
──────────


「い゛っ…!」


「左近、戯れるな。もう一度刀を取れ」


「もう一刻もやりっぱなしじゃないっすか!もう手の感覚もねぇし…」


疲労困憊の左近はそのまま大の字になって寝転んでしまった。しばらく動けないだろう。


「精が出ますね、三成 左近」


「だぁ〜紫乃様!もう俺今日は無理っす!限界っすよ!三成様にもそう言ってくれません?」


「左近、紫乃様に向かってその口の聞き方はなんだ」


「いいのです、とても疲れているようですから」

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作者名:クヴァール x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年2月19日 10時

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