今日:9 hit、昨日:17 hit、合計:495 hit
小｜中｜大
29 ページ31
｢これでは何の為に嫁いだのか……｣
｢紫乃姫様｣
お言葉ですが、と彼女の言葉を遮った。何故 半兵衛が三成を婚姻相手に選んだのはちっとも理解していないようだ。
｢半兵衛様があなたを三成様に嫁がせたのは、何より姫様の幸せを願ってのこと。三成様ならそれができる、信頼できると思ったからです｣
赤子の話がなかったわけではない。しかしそれは世継ぎなどと大それた話ではなく、｢男でも女でも紫乃の子どもは可愛いに決まってる｣というもの。
確かに秀吉や半兵衛亡き今、家の存続は紫乃に掛かっている。彼女が産まねばいずれ途絶えてしまう。しかしだ。
｢三成様が心配しておられるのは紫乃姫様本人のことでございます。
世継ぎを考える前に、立ち直る前に、まず三成様に顔を見せて差し上げてください｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
