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そんな噂を聞きつけてか、ある時白菊を一人の客人が訪れた。大阪付近を統治する豊臣軍、総大将豊臣秀吉の友であり、豊臣の軍師でもあるかの有名な竹中半兵衛である。
聞くところ、ぜひ豊臣へ来て欲しいとのことだった。今まで放浪しつつ医者をしていた白菊にとって、ありがたいお誘いであった。
馬に揺られること半日、大阪へ到着したのは日暮れ頃。互いに馬を馬舎に繋ぎ、総大将である秀吉にご挨拶へ向かう時だった。
「にいさま!」
「あぁ走ってはいけないよ、紫乃。転んだらどうするんだい?」
「だってにいさま、あさからいなかったから早く会いたかったんです」
ぱたぱたと庭を駆けて、半兵衛の袴の裾を掴んだのは一人の少女。珍しい白い髪、本紫色の瞳は色白の肌に映えていた。
「ごめんね白菊君、こちら僕の妹の紫乃だよ。この通りお転婆でね…」
「白菊と申します。はじめまして、紫乃姫様」
「ほら紫乃、ご挨拶は?」
「たけなか、しのです」
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