【BSR】泰平の世が訪れるまで (ページ25)

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ある女中がドタドタと慌ただしく廊下を走り、三成の執務室を開けた。件の戦の報告を受けてからずっと殺気立つ彼に一瞬怯むもその場に膝を着いて先ほどの勢いのままに口を開いた。

｢三成様、大阪城より紫乃様と白菊様がいらっしゃいました！！｣

｢何だと…！？｣

｢お2人とも怪我はないとのことです！！戦の報告を受けてここまで避難を、今は謁見の間でお待ちです！｣

女中が言い終わる前に三成は部屋を出た。かつての同志への恨みも怒りも消え、大阪の城に残してきた2人のことで頭がいっぱいになる。

佐和山までの道のりは決して近くはない。時間から考えて休みなく馬で駆けてきたことは想像に難くなかった。

襖に手を掛け三成には珍しく挨拶をおざなりに開け放つとちょうど茶を飲んでいた紫乃と白菊がこちらを向いた。