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大阪から佐和山まで早馬ですら一日はかかる。馬を休ませる暇すらなく、ひたすら駆け抜ける。
徳川の追手はまだ近くまで来ていないようだ。兵士や女中の準備が早くて助かった。
「姫様、これから山に入りますので決してはぐれぬように」
「はい」
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佐和山へ到着したのは夜更け過ぎだった。疲弊する馬から降りて、門へと歩けば当然門番は警戒する。
「貴様、止まれ」
「このような夜更けに何用だ」
「…三成を、呼んでください」
松明で照らされたのは紛れもない豊臣の姫である紫乃と半兵衛直々のスカウトを受けた白菊の姿。
兵士は慌てた様子で頭を下げた。
「た、大変失礼致しました！」
「三成様の元へご案内致します。さぁ、中へ」
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