【H×H】ゾル家の脆弱な執事です (ページ21)

今日:27 hit、昨日:4 hit、合計:2,425 hit

19 ページ21

今はもう何も口に入れたくない。

喉と胃の辺りでぐるぐる渦巻くような感覚と気持ち悪さが限度を知らず、うっかりえづこうものなら確実に吐くだろう。

ベッド近くのターンテーブルに用意されている見慣れない桶はその為のものに違いない。

いくら解毒剤といえど効くまでには時間が掛かるわけで感覚もすぐには消えないわけで。明日からもっとしっかりやらなければ。

徐々に手足が痺れてきて視界が霞んで音が遠くなる。まったくとんでもない猛毒だ。

｢…うう｣

ふと扉が開くのが見えた。ぼんやりした人影はハクオウであろうか、近付いてきたと思えばチクッとした痛みが走る。

そこからは回復が早く 15分もすれば起き上がれるようになった。

｢毒に苦しむのではなく慣れるための訓練ですので解毒剤を直接注射させていただきました｣

｢……どこまでも出来た執事よな｣

｢光栄です。ではイルミ様がお帰りになられるので失礼致します｣

｢兄上にも食べさせるのか｣

｢解毒剤に余裕がありますので｣