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宙高く舞った凛刀が砂浜に突き立った。呆然とするヴィアベルに一礼し、血振りの仕草を無意識にこなし刀を鞘に納める。
何てことはない、焦りに隙を見て彼女の剣を弾き飛ばしただけのこと。本人にはかすり傷ひとつつけてはいない。
｢見事｣
｢ご期待には添えたかい？鷹の目よ｣
｢うむ。サムライの実力は噂に違わぬようだな｣
｢…言っとくがお前さんとはまだ手合わせしねぇぞ｣
｢む……｣
修行の為というよりは世界を見たくて故郷を捨ててきたのだ。それに未熟者という自覚がある以上、大剣豪たる彼に挑むのはいっそ礼を欠く行為だとミカゲは思うのである。
心なしか残念そうなミホークから顔ごと逸らして立ち上がるヴィアベルに手を貸した。
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