*002 初めまして ページ3
「知っているかと思うが…」
先生は彼女のことを話し始めた。
クラスは彼女を見つめ、彼女は首をかしげる。
休み時間、彼女の周りにはまたも人だかり。
「ゆーりん」
「んー?」
「読書ばっかしてないでAさんに一言くらい」
「言わないってば〜」
Aさん、という言葉に彼女が反応した。
こちらをパチリと見つめニコリと笑ってる。
「初めまして……?ですね」
クラスがシン…となるのがわかった。
俺が何も言わないからか。
彼女が初めまして、と言ったからか。
「あのねA……」
「初めましてAさん」
他の子が言う前に無表情で返す。
これでいい。
彼女の頭の中に俺はいらない。
「ゆりん、いいのかよそんなんで」
「……いいんだよ」
再び本に目を移すと友達はそれ以上何も言わなかった。
席が隣なだけのクラスメート。
俺と彼女の関係はそこまで下がった。
「ゆりんって意外と冷たいな」
「………そう?そんなつもりないけど…」
自分の本心を見透かされたような気分。
慌てて笑顔を貼り付けてみる。
「………やっぱ違うわ、かーわいい」
「あはは、どーも?」
そんな一日の始まり。
135人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず - ばっどえんどの恋愛小説っていいですね〜 (2015年2月14日 0時) (レス) id: 202867a570 (このIDを非表示/違反報告)
綾結(プロフ) - 新作おめでとうございますー!鹿さんがシリアス書かれるということでヒャッハー!してました。お体に気をつけて下さい…!応援してます! (2014年10月28日 23時) (レス) id: d1aba36142 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 新作おめでとう!お鹿のシリアス?なのかな?ということでテンション上がってます!更新はお鹿のペースで 無理せずに頑張れ! (2014年10月28日 8時) (レス) id: 15f0901f94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ