被告人は、有罪＊日野森雫 ページ9
雫side
扉を開けると、愛しいAちゃんは、目を見開いて私を待っていた。良かった、リードも首輪もちゃんと付けているみたい。賢い子。
その頬には一筋の涙が伝っている。大変…！どこか痛いのかしら？それとも首輪が苦しい？
「Aちゃん？！どこか痛い？苦しい？」
「…」
服のボタンを外して、傷が無いか確かめる。そんなに痛いのか、Aちゃんは少し暴れた。
「やめてください！」
「傷がどこかにあるかもしれないでしょう？」
「…して…」
「？ごめんなさい、よく聞こえなかったわ」
「帰してください！お願いだから家に帰して…」
「ここがAちゃんのお家でしょう？」
「…え？」
「私がずっとお世話してあげるから、何も心配しなくていいのよ」
ずっと貴女が好きだった。一目見たときから、私の目も心も貴女に釘付けになった。
私だってこんなこと、本当はしたくないの。
普通にAちゃんと笑い合っていたい。
でも、でも、Aちゃんが悪いのよ？
Aちゃんが他の子ばっかり見るから。
「私を見て欲しかった…」
「雫、先輩…」
「でもね、もう大丈夫。ここには私とAちゃんしかいないから。嫌でも私だけしか見れないわ」
『愛莉先輩！見てください！』
『朝比奈先輩！これはどうすれば…』
『あっ！咲希ちゃん！』
耳に甦るのは、貴女が私以外の人を呼ぶ声。
枯れた花をも咲かせるようなその笑顔は、私以外の人に向けられていて。
触れたくて堪らないその手は、私以外の人を求める。
それだけで私が壊れていくようだった。
「この部屋は少し殺風景ね、でも少しずつ家具も増やしていくわ」
「雫先輩…」
「Aちゃんは本が好きなのよね？本棚は」
「雫先輩！そんな苦しそうな顔で何を言って…」
苦しそう？どうして？今こんなにも幸せなのに。
…いいえ、確かに苦しいわ。
でもそれは貴女のせいでしょう？
部屋の隅に座るAちゃんの前に屈んで、赤い唇にキスをする。
最初はあんなに暴れていたのに、今回は抵抗しなかった。
頬に手を当てて、深く深く、私を刷り込むように口付けると、Aちゃんの口の端から、溢れた唾液が零れた。それを舐めとって、Aちゃんの目を見据える。
「Aちゃんが悪いのよ、全部貴女のせい」
「…っ」
「私をここまで壊した責任を、取りなさい」
一貴女はどこまでも、罪深い人。私の愛しい罪人。
＊
たまに病んだやつ書きたくなる
悪魔に救いを(前編)＊神代類(リク)→←その先には今よりも＊暁山瑞希
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あいらいん - こんにちは！お話全部面白くて気づいたら読み終わっていました！よければリクエストを聞いていただけないでしょうか…？できればでいいのですが、遠野新お願いします！夢主が新くんより年上だとより嬉しいです！よろしくお願いします！ (2023年3月28日 12時) (
レス) id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» 病み要素のないお話、だと思います、了解です！またお時間いただきますね！ (2021年11月21日 7時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 雪柳さん» 正統派でお願いします！正統派って何ですか？更新頑張ってくださいね！楽しみにしてます！ (2021年11月21日 6時) (レス) @page19 id: 15b58e3eb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» ニーゴのリクありがとうございました！類くんですね、正統派系かヤンデレ系かどっちがいいですか？ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - Duskさん» リクエストありがとうございます！レオニですね、了解です！少々お待ちを！ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪柳 | 作成日時：2021年8月19日 19時
