路地の迷い猫＊ビビミク ページ7
AさんはビビバスのDJ
＊
Aさんside
私は路地が好き。
壁に挟まれた入り組んだ道を歩いていると、自分が迷子になったような気分になる。
その感覚が、堪らなく不安で、だけど、それが心地いい。幼子に戻ったような、ただ帰ることだけを考えていればいい、そんな気持ち。
特に、セカイの路地は好き。
人が来ることもほとんどないし、来たとしても声をかけずにいてくれる…前までは。
今も私はセカイの路地で、ひとり、室外機の傍で壁に背を預けて座っていた。
「こんな所に迷子がいる」
膝と膝の間に顔を埋めていると、笑い混じりの声が降ってきた。
「ミク」
少しだけ顔を上げると、頬笑みを浮かべたミクが、私を見下ろしていた。
入り組んだ路地をだいぶ奥に進んだのに、ミクは今日も私の元に来た。ここ最近毎日会っている。
「何しに来たの？」
「その言い草、まるでここがAの家みたいだね」
くつくつと笑って、ミクは室外機の上に座った。
これは今日も居座る気だな…そう思って再び膝の間に顔を埋める。
「Aも物好きだね？メイコの店に行けばいいのに」
「…そう言うミクも人のこと言えないじゃん。私に構わず、コーヒーでも飲んでれば」
「ふふっ、相変わらず機嫌悪いね。でも今日は、いつもみたいにAをからかいに来たわけじゃないよ？今日は…」
「……今日は？」
それっきり何も話さないので、顔を上げてミクの方を見る。
室外機の上で足を組んで座っているミクが、目を細めて私を見据えていた。
その視線に、絡め取られたように身体が固まった。
ゾク、と肌が粟立つ。
「Aと楽しいことをしようと思って」
ミクが静かに言い放った言葉は、妖しい雰囲気を帯びていた。
「っ…！は？楽しいことってなに？私は何も…」
「教えてあげよっか？こういうことだよ」
室外機から降りたミクが、私に目線を合わせるように屈み、噛み付くようなキスをした。
「…ん、んんっ！…あっ、！」
乱暴でいて、優しく溶かすような甘い痺れが、身体を走る。
苦しくて開けてしまった口に、舌が入ってき、絡められる。
その異様な感覚に、すぐに身体中の力が抜けてしまい、ミクの腕にすがりついた。
「A、すっごく可愛い…その顔、そそられる」
にぃ、と笑ったミクが私の頬を撫でる。
「もっと楽しいこと、したいでしょ？これからもっと楽しくなるから期待してて。愛してるよ、A」
路地に赴く際は、十分にご注意を。
その先には今よりも＊暁山瑞希→←過去を壊して(下)＊青柳冬弥
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あいらいん - こんにちは！お話全部面白くて気づいたら読み終わっていました！よければリクエストを聞いていただけないでしょうか…？できればでいいのですが、遠野新お願いします！夢主が新くんより年上だとより嬉しいです！よろしくお願いします！ (2023年3月28日 12時) (
レス) id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» 病み要素のないお話、だと思います、了解です！またお時間いただきますね！ (2021年11月21日 7時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 雪柳さん» 正統派でお願いします！正統派って何ですか？更新頑張ってくださいね！楽しみにしてます！ (2021年11月21日 6時) (レス) @page19 id: 15b58e3eb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» ニーゴのリクありがとうございました！類くんですね、正統派系かヤンデレ系かどっちがいいですか？ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - Duskさん» リクエストありがとうございます！レオニですね、了解です！少々お待ちを！ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪柳 | 作成日時：2021年8月19日 19時
