過去を壊して(上)＊青柳冬弥(リク) ページ5
Aさんは新任教師
＊
Aさんside
春、それは別れの季節であり、出会いの季節。
そしてそれは、私にとっても平等に訪れた。
出会いは、初めての赴任先で、初めて受け持つことになったクラスの生徒や、同僚の教師たち。
別れは、高校から付き合っていた彼氏と小学校からの親友。
小さい頃からの夢だった教師になれて、初めて任されたクラス。
いつまでも引きずらずに、元気を出さなきゃ、と思うのに…分かっているのに…
＊
最悪な夢を見た。
夢は過去を整理しているらしいけど、まさかあんなにもストレートに再現しなくても、と胸に苦いものが広がる。
家に帰ると、親友と彼氏が寝ていた、だなんて、今さらベタな恋愛漫画でもないでしょ！とツッコミたくなるが、これは実際にあったこと。
そして信じられないことに、付き合った当初から、ずっと二股をかけられていた、というのだ。
どこか抜けてる、とはよく言われてきたものの、何年も一緒にいて気づかない私にも、ほとほと呆れる。
出勤の準備をして家を出ると、私の心を映したように重く垂れ込めた曇り空が広がっていた。
＊
6限目、神山高校の1-Bで私は国語を教えていた。
5限目の頭辺りから降り出した雨は、勢いを弱めるどころか、段々と激しさを増している。
雨は結構好きだったりするのだが、今日は、あんな夢を見た今日ばかりは、憂鬱な気分になる。
思わず出そうになるため息を押し殺して、黒板に文法を書いて、ノートに写すように指示をする。
生徒たちがノートに写しているのを見渡していると、視線を感じてそちらに目を向ける。
窓際の1番前の席の男子生徒が、私を見ていた。
彼は確か、青柳くんだったか。私が担当している図書委員会の…。
青柳くんの綺麗な灰色の瞳が、私の奥底まで見透かしているようで、少し居心地が悪い。
それでも、なぜか私も青柳くんから、目を離すことができなかった。
「A先生、そこの文法について質問しても…」
「え…あ！はい、何ですか？」
急にかけられた声に、ハッと我に返ると、ようやく青柳くんから目を逸らすことができた。
雨はまだ降り続いている。
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あいらいん - こんにちは！お話全部面白くて気づいたら読み終わっていました！よければリクエストを聞いていただけないでしょうか…？できればでいいのですが、遠野新お願いします！夢主が新くんより年上だとより嬉しいです！よろしくお願いします！ (2023年3月28日 12時) (
レス) id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» 病み要素のないお話、だと思います、了解です！またお時間いただきますね！ (2021年11月21日 7時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 雪柳さん» 正統派でお願いします！正統派って何ですか？更新頑張ってくださいね！楽しみにしてます！ (2021年11月21日 6時) (レス) @page19 id: 15b58e3eb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» ニーゴのリクありがとうございました！類くんですね、正統派系かヤンデレ系かどっちがいいですか？ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - Duskさん» リクエストありがとうございます！レオニですね、了解です！少々お待ちを！ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪柳 | 作成日時：2021年8月19日 19時
