永遠の幸せを君に＊東雲彰人(リク) ページ16
Aさんは彰人の幼なじみ
神高生です
＊
Aさんside
空を見上げると、飛行機雲が伸びていた。
それは向こうで消えていて、どこか私に似ている。
今からこの人生に終止符を打つ私に。
学校の屋上には、私以外に人はいない。
フェンスを乗り越えて屋上の縁に立つと、風が制服のスカートの裾を揺らした。
目を閉じて思い浮かぶのは、顔を歪めずにはいられない過去。
色の無いそれらの中に、唯一色が付いているのは、幼なじみの彰人との思い出か。
彰人に何も告げずに、消えることだけが未練だった。だけど彰人は目敏いから、私が消えようとしていることに気づくかもしれない。だから何も告げない。それに…
意を決して目を開け、深呼吸をひとつ。
足を踏み出したとき、背後で勢いよくドアの開く音がした。
「A！」
今一番会いたくない人の声がする。それは私の未練。
「A…何やってんだよ…？」
「見て分からない？飛ぶの、ここから」
振り返らずに冷たく言い放つ。振り返ってしまうと、きっと情けない結果になってしまうから。
「は…冗談はやめろ。危ないだろ、こっちに来い」
「冗談なんて言ってないし、そっちにも行かない」
「…わかった。オレがそっちに行く」
どうして邪魔をするの。やめて。
そんな言葉がぐるぐると頭の中を回る。しかし、どれ一つ口を出るものはなかった。
「悪かった」
果てにはそんなことを言って、私の身体をふわりと包み込む。心地いい体温が私の心を絡め取る。未練がどんどん増えていく。
「…どうして彰人が謝るの」
「オレはずっとAのそばにいた。なのに何も気づけなかった」
あまりに優しいこの幼なじみに、ずっと幼なじみ以上の感情を抱いていた。
それを意識してしまうと、絶対に消えることなんて出来ないから、最後には会わずにいようと思っていたのに。
「台無しに、なっちゃった…どう、してくれるの」
涙が後から後から流れ出してくる。どれもこれも全部
「ねぇ、彰人のせいだよ…どうして邪魔するの…！」
「…Aが好きだからだ。好きなものを手放すバカがどこにいるんだよ」
「っ！」
「死にたいだなんて微塵も考えられねえくらい、幸せにしてやる。だから、オレにチャンスをくれ」
その言葉は、私の決意を音を立てて砕いた。
幼なじみの無意識のイタズラは、何よりも残酷で、そして、何よりも温かい。
＊
桜音様、リクエスト感謝です！
遅くなってごめんなさい！
その星は誰のもの＊ニーゴ(前)(リク)→←目覚める事勿れ＊星野一歌(リク)
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あいらいん - こんにちは！お話全部面白くて気づいたら読み終わっていました！よければリクエストを聞いていただけないでしょうか…？できればでいいのですが、遠野新お願いします！夢主が新くんより年上だとより嬉しいです！よろしくお願いします！ (2023年3月28日 12時) (
レス) id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» 病み要素のないお話、だと思います、了解です！またお時間いただきますね！ (2021年11月21日 7時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 雪柳さん» 正統派でお願いします！正統派って何ですか？更新頑張ってくださいね！楽しみにしてます！ (2021年11月21日 6時) (レス) @page19 id: 15b58e3eb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» ニーゴのリクありがとうございました！類くんですね、正統派系かヤンデレ系かどっちがいいですか？ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - Duskさん» リクエストありがとうございます！レオニですね、了解です！少々お待ちを！ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪柳 | 作成日時：2021年8月19日 19時
