目覚める事勿れ＊星野一歌(リク) ページ15
『夢に非ず』の続き、男主です
まずそちらからどうぞ
＊
Aさんside
耳許で聞こえる、感じる、湿った息遣い。
背中に感じる体温と、心臓の音が、一歌の言う通り、これは夢ではないと告げている。
そして、それくらいオレにも分かってる。
一歌とはさっき穂波が言っていたように、幼い頃からずっと一緒にいた。どこにでも一緒で、違う高校に進んでからは、さすがに少なくなったものの、他の姉弟よりも仲がいい自信もある。
だが…。
「何考えてるの？A。もしかして、他の子のこと、じゃないよね？」
オレの首元に腕を回した一歌が、顔を覗き込んでくる。その目には、窺い知れない深い何かが見え隠れしているようで、初めて姉のことを怖いと思った。
「別に何も考えてない。暑いから離れてくれよ」
そう思ったことを悟られたくなくて、素っ気ない言葉になってしまう。
しかし、一歌は一層オレに身体を寄せる。
男とは違う柔らかい身体に、鼻腔をくすぐる甘い香りで、気が変になってしまいそうで、一歌を振り払うように椅子から立ち上がった。
「A」
「先に風呂入るから」
逃げるためのそれは、先回りするようにドアの前に立ち塞がった一歌によって、遮られた。
「A、久しぶりにお姉ちゃんと遊ぼう」
「…あ、遊ぶって…」
に、と口角を上げたてそう言った一歌が、オレのネクタイを引っ張る。
突然のことに、何の抵抗も出来ずに体勢が傾く。
直後、口に柔らかい感触を感じた。キスをされたのだと、そう気づいたのは数秒してから。
「な、何してるんだよ！」
「ふふ、美味しい。ねぇ、A？もっと私を見て。私だけを見て？」
恍惚そうな表情で、一歌は自分の唇を指でなぞった。
「オレたちは姉弟だろ…？こんな、」
「そんなの関係ないでしょ？私はAのことを愛してる。だから、Aも私のことを愛して？それともAは私のことが嫌い？」
「嫌いだなんてそんなことは…」
「よかった…でもわかってたよ？私たちは両想いなんだって」
いつから姉は変わってしまった？
昨日までの姉の姿が、音を立てて崩れていく。
「Aの全部、声も身体も吐く息だって全部、私のもの」
言って、一歌が再びキスをする。
抗うことだって出来るのに、なぜかこのまま深いそれに溺れてもいいと、そう思えるのは、きっとこれが。
決して覚めない夢を見ているからなのだと。
＊
勇希斗様、リクエスト感謝です！
夢か現か
永遠の幸せを君に＊東雲彰人(リク)→←あの子の裏の顔＊花里みのり
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あいらいん - こんにちは！お話全部面白くて気づいたら読み終わっていました！よければリクエストを聞いていただけないでしょうか…？できればでいいのですが、遠野新お願いします！夢主が新くんより年上だとより嬉しいです！よろしくお願いします！ (2023年3月28日 12時) (
レス) id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» 病み要素のないお話、だと思います、了解です！またお時間いただきますね！ (2021年11月21日 7時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 雪柳さん» 正統派でお願いします！正統派って何ですか？更新頑張ってくださいね！楽しみにしてます！ (2021年11月21日 6時) (レス) @page19 id: 15b58e3eb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» ニーゴのリクありがとうございました！類くんですね、正統派系かヤンデレ系かどっちがいいですか？ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - Duskさん» リクエストありがとうございます！レオニですね、了解です！少々お待ちを！ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪柳 | 作成日時：2021年8月19日 19時
