あの子の裏の顔＊花里みのり ページ14
キャラ大崩壊です
苦手な方はご注意を
＊
Aさんside
図書室には、ほとんど人の気配がなかった。
司書の人と、私と、そして、みのりちゃん。
棚が作る影と、窓から差し込む病的に朱い光。置かれている状況から逃げるように、夕日はこんな色をしていただろうか、と考える。
ちょうどカウンターからは見えない、本棚の陰に、私とみのりちゃんは立っていた。
「A」
呟くように私の名前を口にしたみのりちゃん。
普段のみのりちゃんは、普段のみのりちゃんだと、みんなから思われているみのりちゃんは、なりを潜めていた。
私の前だけで見せる裏の顔。私を見据えるその瞳は朱い光と混ざり合っている。
「怖い？」
笑い混じりにみのりちゃんが囁く。
「なに、が？」
「わたしが」
「どうして？」
「だって」
「ッ！ぅ、あ…」
短い言葉で交わす会話の後、みのりちゃんが私の首筋につ、と人差し指を這わす。
「こんなに、震えてる」
「それ、は。みのりちゃんが…」
「わたしが、なに？」
「…みのりちゃんが、触る、から」
「Aは敏感だもんね？でも、わたしが触る前から震えてたよ？それは、どうして？」
司書の人に聞かれないよう、私の耳許で囁くみのりちゃんの声に、息に、身体がビクン、と跳ねる。
「…」
「答えないの？じゃあわたしが教えてあげるね。Aは期待してたんだよ」
こういうことを。そう続けて、みのりちゃんは私に深く口付けた。驚いて思わず肩を押すと、どこにそんな力を隠していたのか、ぐい、と手首を棚に縫い付けられる。
耳に感じる水音と、口内から感じる甘い痺れに、頭がおかしくなってしまいそうになる。
少ししてようやく離してもらえると、足の力が抜けてその場に崩れ落ちそうになる。それをみのりちゃんは、支えてくれた。
「こんなので砕けちゃったの？やっぱりAは敏感だね？ふふ、可愛い」
「…別人、みたい」
本音が零れる。何かが憑いてでもしてしまったかのように、目の前の彼女は別人で。
「誰だって、秘密のひとつやふたつはあるでしょ？」
そう言って笑うみのりちゃんは、とても綺麗だった。
朱い光に彩られた二人の影が、静かに再び重なった。
＊
キャラ180度違いますね。苦手な方はごめんなさい…
みのりちゃんに呼び捨てしてもらう妄想からできたお話。
目覚める事勿れ＊星野一歌(リク)→←おとぎ話＊朝 比 奈まふゆ(リク)
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あいらいん - こんにちは！お話全部面白くて気づいたら読み終わっていました！よければリクエストを聞いていただけないでしょうか…？できればでいいのですが、遠野新お願いします！夢主が新くんより年上だとより嬉しいです！よろしくお願いします！ (2023年3月28日 12時) (
レス) id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» 病み要素のないお話、だと思います、了解です！またお時間いただきますね！ (2021年11月21日 7時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 雪柳さん» 正統派でお願いします！正統派って何ですか？更新頑張ってくださいね！楽しみにしてます！ (2021年11月21日 6時) (レス) @page19 id: 15b58e3eb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - 月兎さん» ニーゴのリクありがとうございました！類くんですね、正統派系かヤンデレ系かどっちがいいですか？ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
雪柳(プロフ) - Duskさん» リクエストありがとうございます！レオニですね、了解です！少々お待ちを！ (2021年11月20日 21時) (レス) id: cfd3fbf4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪柳 | 作成日時：2021年8月19日 19時
