番外編#4 ページ24
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目「いや、大丈夫な量じゃないし帰り遅いと俺も心配だし」
「……あと1時間で終わるし、これぐらい自分で何とかできる」
「…目黒には関係ないよ」
目「……………分かった」
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カフェオレだけ私のデスクに置いて目黒はオフィスを出ていった
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「……。」
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さっき、私どんな顔してただろう
情けない。今までこんなこと無かったのに
わざと目黒に冷たく当たってしまった
目黒の事になると調子が狂う
ユキさんのことも疑いたくないのに……
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「………考えるのやめやめ。仕事終わらせよう」
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バチンと頬を叩いて仕事を再開した
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「…………っ、終わった……。」
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あの後は割と無双状態で。本当に1時間ぐらいで書類作成が終わった
駆け足で会社を出ようとしたときだった
聞き覚えのある声が私の耳を駆け抜ける
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目「A、帰ろ」
「え、め、目黒？？な、んで……」
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エントランスに出ると、つい1時間前に帰ったはずの目黒が少し寂しげな表情で立っていた
……なんでいるの
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目「Aが俺の事避けるから。待ってた」
「っ」
目「明日も会社あるけど、今日は帰さないから」
「え、？」
目「俺ん家行く」
「は、」
目「拒否権ない。俺は怒ってるから。はい、行く」
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私の手を取りぐんぐんと岐路を辿る
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「……」
目「……」
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その間、会話は無くて。ほんとに目黒から怒りのオーラが見える
怒りたいのは私の方だっつーの……
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沈黙が続く目黒の部屋
…目黒、怒ってる…確かに冷たい態度取っちゃったのは私だしそりゃ怒るよね…
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「ねぇ、目黒、？」
目「…、なんで避けてたの」
「…避けてたつもりはないんだけど」
目「避けてたよ。いつもならあんな冷たい言い方しないでしょ」
「……」
目「ねぇ、俺なんかした？」
目「正直に言って」
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目黒の真っ直ぐな瞳が私を捉える
私はゆっくりと口を開いた
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「今日、目黒がユキさんと仲良さそうにしてて。頭ポンってしてたのが凄くモヤモヤして冷たく当たっちゃった。ごめん」
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沈黙が作る静寂はあまりにも静かだった
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作者名：相翔 | 作成日時：2020年8月9日 14時
