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無人だった箱は私とレイを乗せて下降していく。ポーンとまた間抜けな音をさせて、1度4階で止まった。
「…あ、」
噂をすればなんとやら。上手いこと出来ていると思う。
「お、お疲れぃ」
ネクタイを緩めながら乗り込んできたのは、何ヶ月かぶりに再び転勤疑惑が持ち上がっている奴。二宮くんだった。
「お前等今日飲みに行くの」
「あー…、今日はやめとこうって」
「あ、そ」
独特の下降感を体感しながら、言葉を交わす。相当疲れているんだろう。声からも表情からも真実を汲み取り辛い二宮くんの声から若干の疲れを感じ取る。
「んじゃ、俺もさっさと帰って寝るかな」
「ゲームは？」
「んー…ねみぃもん」
三度の飯より、睡眠より、優先させるゲームを眠いの一言で片付けようとすることに今度は若干の疑問を持ちながらも、小さくそう、と返事する。
何度も聞くとイラっとしてくる、本日最後の間抜けな到着音を聞いて、箱から出る。
サッとロビーには、傘を持った人が結構多くいた。
「…雨降ってんじゃねぇか」
「えぇ…、」
雨は嫌い。というか面倒。
濡れるし、電車は遅延したりするし。
暑かったり、寒かったり、雨降ったりなんなの本当に。
様子からして結構大降りみたいな外の天気に舌打ちしたくなる。
チッと本当に舌打ちをもらした二宮くんは睨むように自動ドアの方向を睨み付けた。
「あー…、智車で迎えに来てるっぽい。私裏口行くね」
チラリと携帯を見たレイは、パチンとわざとらしく手を合わせ、悪びれる様子もなくサッサと裏口へと走っていく。
薄情者、なんて嫌味のひとつでも言いたくなるけど、そんなの大野先輩にもレイにとっても痛くも痒くもなさそうだ。
「あー…、こっからだったら……俺ん家か。近いの」
「…ん、」
「濡れて帰りましょうかね、お嬢さん」
雨ーーー…濡れるのが嫌なのか。最近よく感じる、私を家に招くのを嫌がっているのか。はたまたどちらもか。
不快感？嫌悪感？
顔を分かりやすく顰めた二宮くんが外を指差した。
ポーカーフェイスなら最後まで感情隠しておいてよ、という彼に対する嫌味は空の泣き声にかき消されていった。
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かお(プロフ) - ぱるるんさん» ぱるちゃん！ありがとう！番外編とか続編はありがたいことに結構言っていただけるからどうしよう…！って感じです(笑)お恐れ多いこといっぱい言うなー！恥ずかしい！って感じだけど(笑)、いつもありがとう！次回はNさんじゃないけどよかったら！！ (2016年4月5日 11時) (
レス) id: 2b1e9a8ae3 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - ももかさん» ありがとうございます！触れたら低温火傷しそうなキャラばっかりですが、そう言っていただけて嬉しいです(笑)次作はNさんではありませんが、お付き合いいただければありがたき幸せ(影山) (2016年4月5日 11時) (レス) id: 2b1e9a8ae3 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - しいさん» ありがとうございます！こちらこそお付き合いいただけて嬉しいです〜 なんというかここの二宮さんは低温火傷しそうな感じだなぁと書いていてむず痒かったです(笑)一気読み！疲れるかと思いますがよろしくお願いします〜！ (2016年4月5日 11時) (レス) id: 2b1e9a8ae3 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - ずんさん» こちらこそおつきあいありがとうございました！少ないキュンでしたが…この2人のキュンを配給できてよかったです。次作もお付き合いお願いします！ (2016年4月5日 11時) (レス) id: 2b1e9a8ae3 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - (名前)ていくさん» こちらこそお付き合いいただきありがとうございました！甘いんだしょっぱいんだか、不思議なカップルでしたが…(笑)気に入って頂けたなら書き手冥利につきます。笑 (2016年4月5日 11時) (レス) id: 2b1e9a8ae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かお
| 作成日時：2016年2月21日 17時
