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店に入ってから30分が経過したが、紫耀は一向に服を買う様子がない。色んな服を手にとっては“これも似合う”の繰り返し。もうなんでも似合うじゃん、私。
う〜んと顔をしかめて店内をゆっくり見渡している。決まる気配が全くない。これなら自分で選んだ方がまだいいんだが。
「ねぇ、まだ決まらないの？」
『ちょ、今頭の中で整理してるから！あと少し待ってや』
「はぁ……店の外で待ってるから、決まったら出てきてね」
『おん！楽しみにしとってや』
店の外に設置されてある木製のベンチに座り、鞄からスマホを取り出す。お母さんからのメールが4件来ていた。
｛紫耀くんとお出かけ楽しんでる？｝
｛青春ね〜｝
｛あんまり遅くならないようにね｝
最後にハートマークのスタンプが送られてきていた。“わざわざありがとう。楽しんでるよ”とだけ送り、スマホをしまう。
丁度紫耀が店から出てきて、嬉しそうに手に提げている袋を目の前にばっと差し出してきた。どんな洋服だろうと中身を見ようとしたが、紫耀の手によって防がれた。
『今見たらあかん！着替えてからのお楽しみやから！』
「あの、今着替えるの？」
『あったり前やん！ほら、はよ〜』
「しょうがないな……」
再び店の中に入り、試着室を借りてそこで着替えることにした。早速袋の中から洋服を取り出してみると、黒と白のチェック柄の膝下までのスカートに、無地の白シャツと紺色のカーディガンだった。
奥の方にまだ何かあるのを見つけ取り出してみると、紫耀が今つけているのと同じアクセサリーが入っていた。これが所謂お揃い、というものだ。
長い間紫耀と一緒にいたが、お揃いで何かを買うというのはあまりしたことがなかった。何故だか自分でもわからないが、妙に嬉しい気分になった。
着替えを済ませ試着室を出る。紫耀が選んでくれたこの姿で会うというのが、少し恥ずかしい。自分でもその理由が分からない。
意を決して、店の外に出る。紫耀は目をキラキラ輝かせながら、爪先から頭のてっぺんまで、何度も何度も見ていた。
『めっちゃ似合っとる！さっすが俺やわ』
「あーはいはい。ありがとね」
『もう……ほんまかわええなぁ』
そう言って微笑むと、優しく私の頭を撫でた。なんだか調子が狂ってしまう。
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も。(プロフ) - みるくプリンさん» お褒めのお言葉ありがとうございます。面白いと感じていただけたようでよかったです。自分の想像力をフル回転させながらお話を練った甲斐があります(笑)是非これを機に少しでもキンプリを知っていただけたら(笑)コメントありがとうございました！ (2019年8月22日 11時) (
レス) id: 677285a89c (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして！面白くて一気読みしました。実はキンプリ詳しくないんですが、めっちゃキュンとしました。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月22日 6時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：も。 | 作成日時：2019年8月15日 5時
