愛する水柱さんへ【冨岡義勇】

拾玖 ページ21

「不死川、日なたでは駄目だ。



日陰に行かねば鬼は出てこない」



伊黒にそう言われ、不死川は部屋の中へと移動した。




叫び出す炭治郎を伊黒が押さえつける。


肺を圧迫しているようで、炭治郎は息ができていない。




炭治郎からミシミシと音がする中、実弥は禰豆子が入っているらしい箱に刃を突き立てる。





べキッと音を立てて箱の蓋を取る。



中から、鬼の少女＿＿禰豆子が出てきた。






血を垂らす実弥の腕を見て、息を荒らげている。






「伊黒さん、強く抑えすぎです。少し弛めてください」





そう言ったしのぶに、伊黒は




「動こうとするから、押さえているだけだが？」





と言った。炭治郎の骨がミシミシと軋む。






『.....竈門君、肺を圧迫されてる状態で呼吸を使うと血管が破裂するよ』





懸命に呼吸を使おうとしている炭治郎にそう告げると、





「血管が破裂！！いいな、響き派手で！！よし行け破裂しろ」



『いやいや....』





さすがに危ないと思ったのだろう。



しのぶが声を荒くし、炭治郎の名を叫んだ。






力を振り絞り、腕の拘束を解いた炭治郎。




その時、先程から何もしていなかった義勇が伊黒の腕を掴んだ。

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