【浦島坂田船】サクラ色担当.2【うらたぬき】

第6章 ページ19

事件まみれの日々も落ち着き、普通の日々を過ごしていた。


もうすぐ夏休み。


夏休みにはツアーがある。


去年の夏ツアーは受験で欠場してたから、約一年半ぶり。


そんなことを考えながら、大学のキャンパス内を歩いていた。


？「あの…！」


声をかけられたので振り向くと、同じ学科の男子がいた。


「…なんですか？」


できるだけにこやかに返す。


男「俺、同じ学科の、早乙女です」


あぁ、早乙女くんね。多分覚えた。


「それで、用件は…？」


早「今日、講義終わりですか？！」


「あ、はい。終わりです、けど…」


早「ちょっと、付き合ってもらえませんかっ」


「あ、いいですよ」


行きましょうと言って歩き出した早乙女くんについていく。


早「そういえば、香坂さん」


「はい、なんですか？」


早「声優、やっていらっしゃるんですよね。僕、ファンなんです！」


おっと、めっちゃマイナーな私を知っているとは。


「ありがとうございます」


早「いえいえっ、まさか同じ大学の同じ学部の同じ学科にいたなんて…
あ、浦島春坂船の夏ツアーも、参加します！！」


「あ、ありがとうございます。楽しみましょうね」


早「それで、なんですけど…」


急にモジモジしだす。


早「好きになっちゃいました！」


「はい…？」

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