赤いスリッパ (ページ18)

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ふぅー、おわったぁあ！！

夕飯後の合奏もおわり、今から河原に向かう。

丸山「さっ！マルちゃんセレクト、ぱぁぁぁぁかっしょん専用、ぱぁぁぁぁぁんっといこうぜ！250本の花火でっせぇ！！」

村上「テンション高いなぁ！笑」

錦戸「夜なんやから静かにせぇ」

横山「マル、そんなに元気有り余ってんのやったら全部運んでくれるよな、ありがとう」

丸山「ひぇっ、、」

7人「「あ、お疲れ様でぇーす！爆笑」」

と、言いつつもちゃんと分けて持ってあげるのがこのメンバー

…にしても消火用の水のバケツを選んだのは間違いだった

あぁ、、おっも～！！
15Lかな、膝の高さくらいまであるバケツ。
こぼさないように、でも暗いから置いて行かれないように…寒さで手が凍えて余計重く感じる

…だめだ、重すぎる！1回置こう
こうやって部活全体で行動するとき、パーカッションはいつも後ろだからつかえることはないんだけど、後ろに誰もいないから気づいてもらえない

苗字「行かないと。見失っちゃう！あ゛ぁ！よいしyッ『はよせんと置いてかれるで』

苗字「あっ…すみません！大丈夫ですか？」

さっきまで水の重さでジンジンしていた手の感覚が急に軽くなって、見上げると

錦戸「ん。いくで」

前の方で花火を持って、安田先輩と話していたはずの錦戸先輩が私のバケツを持ってくれてる

苗字「ありがとうございます…あ！わたし花火持ちます！」

錦戸「ええよ、大丈夫。暗いから気ぃつけてな」

苗字「すみません、ありがとうございます」

錦戸「…俺らの前歩けば良かったやん、助けてくれるのに」

苗字「いや、あの、わたし皆さんがわちゃわちゃ話してるの見てると楽しいんです」

錦戸「フフッ、お前やっぱ変やんな」

苗字「え！？そんなの言われたことない…」

錦戸「たぶんみんな思っても言わへんかってん、俺、素直やからなぁ～」

苗字「それ自分で言っちゃうんですか？笑」

錦戸「だってホンマやもん」

重いの持ったまま話すなんて絶対きついに決まってる。でもきっとこれは私が気まずくないようにって、先輩なりの優しさなんだろうな

みんながいる明るい所について気づいた

先輩が歩幅を合わせてくれてること。
…少しだけ耳が赤くなっていたこと。これは私の気のせいかもしれない

うわ、なんか今になって恥ずかしくなってきた！花火で忘れよう！！