るぅとくんは甘いキスがしたいようで【stxxx】

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無事あかねちゃんを保健室に送り届け、私は自分の教室へ帰る。

ちょうど授業も終わったらしく、廊下でおしゃべりやトイレなどそれぞれ自由に過ごしているのが見えた。


「あー！九賀！！遠井さんは？！大丈夫？！生きてる？！」


どこからか現れたジェルくん、目に涙を溜めてこっちへ走ってきた。


『大丈夫だよ。あかねちゃんそっとしといてあげてね。変に触れたら怒るよ』

「あぁー！！やっぱり貧乳だから！遠井さん前世で一体何をしたんだよ…本当に…貧乳っ…！！」

『ねぇジェルくん、今その音源録音したけど、どうして欲しい？』

「え俺のスマホに送ってーよ。シェアしよーぜ」

『あじゃあ某トークアプリのQRコード出して』


ツッコミがいないと……会話が成り立たんな


スマホを取り出して、某トークアプリを起動する。
私のQRコードをジェルくんが読み取って、友達追加をした。


『…このアイコン何？』

「え、俺の肌」

『このステータスメッセージは。』

「遠井さんへの愛を綴った」

『ブロックしよっかな』

「シンプルにやめて」


遠井さんが苦手意識するのもわかった気がした。


すると。


『ん、るぅと？』


ひょこっとるぅとが現れて、こっちをじーっと見てきた。


「えっ、あっ、ごめんなさいぃ！！」

今にもピューって逃げちゃいそう。
私はそんなるぅとの手を掴んだ。


『るぅとも交換する？』


「えっ、あっ！！」


ずいって顔を近づけると、かぁぁって頬を赤く染めた。えなになに


『あ、嫌か。女子だもんね。ごめんね急に手つかんだりして』

「ち、がう！！！だってだってAがかわい…あっ」

『かわいい？私が？』

「か、わいいの！！」


そう言ってるぅとは、泣きそうなくらい顔を真っ赤に染めて、口をぱくぱくさせた。

え、金魚……とか思ってないし？！？！


「僕は、交換したい、な」

『あ、そう？じゃあ、交換しよ』

「あ"、携帯忘れた…」

『え』

「るぅと、おつぷりっ！！」


ヒョイって後ろから現れたジェルくん。きみそんなことしたら怒られるよ。


「…僕ってホントドジですよね……はぁ…」


あれ。

本気で落ち込んでいるのか、がっくりと項垂れるるぅと。


殴られるとでも思ったのか、ジェルくんは秒で距離を取り、きゅっと目を閉じていたが、素直なるぅとに驚きが隠せない様子。

むしろ怯えていた。


「いつものるぅちゃんじゃない…！！」


そりゃそうなるわな。

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